第7話 帰宅の途中
ソラツグは商業区を抜け居住区に移動する。
途中、公園があったのでなんとなく寄る。
自販機で炭酸ジュースを買い、ベンチに座り考える。
「月に来た途端テロに巻き込まれるとはなあ」
地球と月の住人の関係は必ずしも良好ではないが、それなりに相互保障を保っている。
一部の勢力が強硬な態度を採っていたがまさかテロを起こすなんて・・・。
「これからどうなるんだ」
天井を仰ぐ。
そこに見かけた姿が通りかかる。
「あ・・・」
ツキノ=カグヤだ。
向こうもこちらに気付いたらしくこちらに近寄ってくる。
「こんな所で奇遇ね。アマノ君」
「ツキノさん・・・」
「名前覚えてくれたのね」
カグヤは隣に座る。
「有名だからね。ツキノさんこそ僕の名前覚えてくれたんだ」
「同じ日に転校してきた人の名前だしね」
柔らかく微笑む。
ドキッ
な、何だ?いつものツンとした態度とだいぶ違うぞ?ヤバい。ドキドキしてきた。
「ツキノさんはテロの時大丈夫だった?」
「丁度商業区にいたけどテロには遭遇しなかったわ」
「そう。良かった」
「アマノ君はテロに巻き込まれたんですって?アマノ君こそ大丈夫?」
「危ない所を知らないロボットに助けてもらったからね。何とか無事に済んだよ」
「今回の件で地球との関係がギクシャクするから今後危険と判断したら即逃げるのよ?」
「そうするよ」
「じゃあまた明日ね」
「また明日」
そして二人は帰途に着く。
翌日。
朝食をとりながら朝のニュースを見ていたソラツグは仰天する。
TVでは月面総督が演説していた。
『我々月面共同体は地球連邦より独立する!』
「何だって!」
月面地下には数多くの都市が存在する。それらが自衛に使ってる軍備を合わせれば確かに地球に対抗できるかもしれない、今は。
ただ月の鉱物資源は豊富でも食糧資源には限りがある。紛争などが始まって長期的に続けば月の経済にも大ダメージだ。
取り合えずニュースを端末で見ながら学校へ向かう。
「よう!アマノ!大変な事になったな!」
「ツチヤ!皆も!」
教室内も月の独立の話題でもちきりだ。
「総督は何を考えているんだ・・・」
「いいんじゃねーの?ここらで一発ガツーンと地球にかましてやるのも」
「人が死ぬんだぞ!」
「そうカッカするなって。大体地球の横暴な政策やこの間の地球側のテロが原因なんだぜ?」
ツチヤは両手を広げて、
「あーんなに広い大地があって豊富に食料が採れるのにギリギリしか月に融通しねえ」
「戦争したら済的に苦しくなるのは月の方だよ!」
ツチヤは肩をすくめる。
「だから何か案が有るんじゃねえか?月の総督もそこまで馬鹿じゃねえよ」
そう言われてもソラツグは不安を払拭出来なかった。
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