第2話 太陽系暦
太陽系歴元年。
人類は地球を飛び出し、月や火星にその勢力を広げていった。
まず宇宙進出機関を設立し、宇宙への足掛かりを作る。
初めは月や火星の地表にドームを建設する案が打ち出されたが天井を覆うドームの材料、空気の機密性、過酷な温度差、宇宙線からの人体の防護など課題が浮き彫りになった。
そこで宇宙進出機関は月や火星の地下に居住空間を作ることにした。
地下15メートルの地盤の下に高さ20メートルの空間を掘った。深さ計35メートルの空間を幾つかのブロックに分け、居住区、商業区、教育区、工業区、農業区、漁業区、管理区など複数のブロックを作った。それらは空気の機密性を保つためにさらに細かく分けられた。
地下ドームの建築物の材料は月や火星に溢れてる鉱物資源を使用し、地下の空間を掘る機材や技術は極東の国の地下に作られた放水路の建設技術と機材が役に立った。
こうして建設は急ピッチで進み太陽系歴30年には地下ドームの大枠は出来た。そして移住者を募り徐々に月面と火星へその生活圏を広げていった。
そして太陽系歴100年。
「遅刻遅刻!転校初日に時計が故障するなんて!」
月地下ドームの通路を一人の少年が駆けていた。口に食パンを咥えて。
そして十字路に差し掛かったところで角から女の子が飛び出す。こちらも口に食パンを咥えていた。
少年は通路をぴょんぴょん跳ねて(月の重力は地球の6分の1)移動してたのでブレーキが利かない!
あわや衝突事故かと思われたところで少女は身を屈め、少年に足払いを仕掛ける。少年は盛大にすっ転んだ。
「うわっ!」
「道交法14条違反よ!気を付けなさい!」
少女は走り去ってゆく。
少年は茫然と少女が走り去った先を見ていた。
「綺麗な娘だったなあ」
そこで気付く。
「あっ!いけない!遅刻する!」
月地下スクール。小中高一貫校である。その中等教室の一室。
「今日は転校生を紹介する。入りなさい」
少年は教室に入りモニターの前に立つ。
「アマノ=ソラツグ、15歳です!宜しくお願いします!」
「みんな仲良くするように。そして転校生はもう一人いる」
「え?」
ソラツグは気の抜けた声を出す。
そんなソラツグに構わず教室の入り口から一人の少女が入ってきた。
教室がざわつく。
「ツキノ=カグヤよ。宜しくお願いするわ」
「!」
少女は朝ぶつかりそうになった女の子だった。
ここまで読んでいただき有り難うございます。
評価とかしていただければやる気とか出ます。




