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19 賭け?の始まり

お久しぶりでございます。

久々の更新です。カメの様な更新ですが、よろしくお願いします。

のんびり更新な『政略結婚~』ですが、

更新していなくても拍手して頂いてまして、大感激しております!!

大翔が食事をストップして持っていたフォークとナイフを置いたので、愛梨も手を止めた。

それを合図に、大翔はゆっくりと話し始めた。


「ごめん。黙っていたことは謝るよ。自分から“あの碓氷の人間だ”と自分のことを話さなかったこと。

 愛梨の話を聞いて、俺も“碓氷コーポレーションの御曹司”とではなく、ただの碓氷大翔として、ただの一人の男として見てほしいと思ったんだ。

 俺自身も、その肩書きの所為で嫌な思いをしたことがあったしね。」


そう言って、困ったような表情で笑う大翔。

世間一般で大企業だけど、まだまだその上がいる様な会社の社長の娘という愛梨でさえ嫌な思いをたくさんしたのだから、日本トップということだったら、更に嫌な思いをしたんだろう。

仕事でも本名隠してたって言ってたし、今でもほんとに大変なんだろうなー。

たぶん私が想像するそれ以上だと思う。

困ったような表情だけの過去ではないと思うのは、大袈裟じゃないはず。


大翔は、色々考えて難しい顔になっている愛梨に、いたずらっぽい口調で言った。

自分のつらい過去を想像して、くらーい顔になってほしくない、と思ったから。


「それと、婚約破棄にこだわってるみたいだけど、婚約破棄はあり得ないから大丈夫だよ。」


大翔は頬杖をつきにっこりと愛梨に向かってほほ笑んだ。

頬杖をつきほほ笑む大翔は、とてもカッコいいと思う。なんかキラッキラしてる。


それにしても・・・なんで・・・婚約破棄はあり得ないの?

そこが分からなくて小首を傾げた。


「え?・・・なんで?」


再び真面目な表情をした。

「俺は政略結婚で嫌々愛梨と結婚する訳じゃない。それに会社のためになんて結婚なんてしない。

 結婚は自分が愛する人としかしないよ。

 この婚約がそうだとしたら阻止する力ぐらい俺は持ってる。

 それでもそうしないで、愛梨と結婚するんだから、俺の気持ちは信じてほしい。」


え?碓氷さんが・・・私を・・・?

そう思った途端、恥ずかしさで顔がぼっと沸騰して、真っ赤になった。


うそうそうそうそッ!絶対嘘よッ!

愛梨!落ち着いて良く考えなさい。

碓氷さんと出会ったのはつい先日よ!?しかもあの碓氷さんよッ!!

それなのにッ!それなのにッああああああ愛する人って!!


真っ赤な顔をしてどうしたらいいのか分からなく、視線が泳ぐ。

火照った頬を両手で押さえて俯いてしまった。


ふわっと頭をなでられた。


「ただ、会ったばっかりで俺の気持ちなんて信じてもらえないのは分かっている。

 だから、最初に言った通りに、少しずつでいいから、俺を知ってほしい。

 愛梨に偽りの自分では決して接しない。嘘は言わない。」


真面目な話をしてくれた大翔。

私もしっかり結婚に対しての考えを言わなきゃッ!

キリッとした真面目な顔をして、大翔をしっかり見つめ、私も自分の考えを話し始めた。


「私は・・・、私のことをちゃんと好きだと言ってくれて、私もその人の事を好きじゃないと結婚はしません。

 仮に碓氷さんが私のことを思ってくれてても、私が碓氷さんの事が好きにならなければ、結婚はしません。

 だから、今回の婚約はなかったことにしてください。」


真っ赤になっていた頬も落ち着いて、愛梨も大翔も真面目な顔をしていた。

う~~~やっぱり“絶対結婚しない”って言うのはやめた方が良かったかな~~。

愛梨はちょっと不安になってドキドキしてきて、ちょっとずつ俯き始めた。


そう俯き始めた直後、ふっと大翔が笑顔を見せた。


え?笑うの?

あんなにハッキリと婚約破棄を申し出たのに?

・・・この人は、分かっているんだろうか?


「大丈夫。愛梨は絶対俺のことが好きになるよ。」

「へ?」


すっとんきょんな声が出た。

だけど、ちょっとだけ沈黙が訪れたが、大翔の言葉で暗い雰囲気が去って行った。


いや、いや、この人はいったい何を言っているんだか。

出来る御曹司って、ちょっと頭のねじ飛んでるの?


不安な気持ちも吹き飛んで、今度はあきれ返った気持ちが大きくなり、三白眼で大翔を見た。


「・・・一体、どこからそんな自信が・・・。言っておきますけど、こっちだって好きになりませんよ」


大翔がくすくすと笑いながら食事を再開し始めたので、愛梨も再び食事を開始した。


「愛梨もたいがい頑固だねー。そうだなぁ、じゃぁ、期限を決めようか?」

「期限?」

「そう。タイムリミットだよ。その期限までに愛梨が俺のことを好きになれば結婚。

 タイムオーバーの場合は愛梨の勝ち。愛梨の好きなようにやればいいよ。

 まぁ、タイムオーバーになることなんて、絶対ありえないけどね。」


何か企んでいるような黒ーいニッコリ笑顔を向けられる。

私はそうキッパリと言い切る大翔にムカッとした。


なんで絶対ないって言いきれるんかなッ!!

絶対私が好きになる?なんでこれも言い切れるんかなッ!!


愛梨のイライラしている表情を見ても、飄々としている大翔。

飄々というよりも、ものすごく楽しそうな顔をして愛梨を見ている。


「う~ん、そうだなぁ。1ヶ月はどうかな?」

「1ヶ月!?――――1ヶ月もあれば私が碓氷さんを好きになると?」

「うん。本当は1ヶ月もかからないと思うんだけど?

 あ、でも3ヵ月にはどうかな?俺も愛梨も仕事をしてるし、俺は国内外の出張もあるだろうし。

 どう?その方がいいかな?」


そう、タイムリミットの話だ。

1ヶ月で私が碓氷さんを?しかも1ヶ月かからないと!?

私ってどう思われてる訳!?


私は即座に否定した。


「いやいや、1ヶ月だろうが、3ヵ月だろうが、1年だろうが、好きになりませんよ」

「愛梨ー。そう言ったことを、後悔するようになるよ、きっと。」


大翔はくすくすと笑った。


「じゃあ、愛梨はいつでも良いんだね? じゃあ、タイムリミットは3ヵ月。よろしくね、愛梨」


そう言って右手を差し出す大翔。

わたしも右手を差し出し、大翔の手を取る。


「臨むところです、大翔さん(・・・・)


そして、今、結婚をかけた戦いの火ぶたが切って落とされた。


この瞬間、私が初めて大翔の事を名前で呼んだのに気が付いた大翔さん。

いつものようににっこりときれいに笑うんじゃなくて、心から嬉しいというのが溢れ出てるような笑顔を向けられた。


「名前を呼んでくれてありがとう、愛梨」

「!!」


今、食事中じゃなくて間に机が無かったら、大翔さんの隣に立っていたなら、抱きしめられるかと思った。

それに、ちょっとだけ頬が赤くなっていたのは気のせいじゃないのかな?


だから、私もすっごく照れてしまって、顔を真っ赤にして俯いてしまった。


くすくすと笑いながら、それはそうと、と話し出す大翔。

賭けのことでモヤモヤしているような、でも大翔の笑顔でドキドキしているような、何とも言えない気持ちのまま、俯き気味に食事をしていた愛梨は、顔を上げた。


「さて愛梨、これからどうする?」


ニヤリと悪い顔を見せる大翔。

・・・こんな顔をするってことは、なんとなーく嫌な感じがするのは、私だけ?

碌な事言わないだろうと思いつつ、大翔に聞き返してみた。


「これから・・・ですか?」

「そう。ご飯食べた後。」


何を企んでいるんだろう?

私は疑わしい目を向けるが、ニッコニッコしている大翔。


「ウチに来る?」

「うへッ!? いっ行きませんよッ!!家に帰りますッ!!」


一瞬驚いたけど、ほら来たーっ!!大翔さんは碌な事言わないッ!!

わざわざ敵陣に出向くようなことはしないわよ、私。

そう思いながら、私はふんっとそっぽを向く。

それなのに大翔は、ケラケラと笑いながら、からかったような口調で話してくる。


「えー、来ないの?美味しいお酒もあるし、戦いの前の決起大会しようかと思ったのに」

「え?美味しいお酒があるんですか?!」


私、こう見えて?・・・こう見えなくても、お酒大好きなんです。

瑠依ともよく飲みに行っていたくらいだし。

なので、“お酒”と言うキーワードでテンションが上がって食いついてしまった。


「あるよ。愛梨、お酒好きだって聞いたから、仕入れておいたんだよ。」

「えっ!ほんとですか!!今度ごちそうになりに行きますッ!!大翔さんち!!」


すっかりテンションが上がってしまった私は、敵陣に乗り込む約束までしてしまった。

後悔しても、もう遅い。大翔にしっかり聞かれてしまって、お宅訪問は決定した。


「じゃぁ、今度ウチにおいで。愛梨ご飯も得意だって聞いてるし、一緒にご飯作ろうね」


嬉しそうな顔をする大翔を見ると、やっぱり行けませんなんて、愛梨には言えなかった。

大翔のあんな顔を見るとどうしても断れない愛梨だった。

ありがとうございます!

20話、まだ未完成なんですよね\(-o-)/

他のストーリーが浮かんじゃって、そっちに向かって行ってしまいそうな、ワタシです。

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