42 さみしがり屋
〇まえの回のあらすじです。
『リリコがユノたちと目をあわせてくれない』
「ぎゃあ。がーあ」
ハルモニアがリリコに金色の前脚を振る。かのじょのなかでは話が終わってしまったようで、ハルモニアは勝手にいずこともなく飛んでいった。
(マイペースな神さまだなあ。……それとも、神さまだからマイペースなのかな)
ユノはあっけに取られて、なにをすることもできずに竜のうしろすがたを見送る。
「わたしも行こーっと。ハルとわたしは一心同体だもんね」
「ハルモニアさまのほうはたいそうめいわくがっていますが」
くるりとフローラが背をむけて言うのに、ぼそりとリリコ。ちゃんと聞こえるようにつぶやいている。
「ふん。しょーがないでしょ。わたしはさみしがり屋なんだから。それよりリリコ、ユノのことたのんだわよ。【はじまりの庵】を貸すってことだから」
「わかりました。おまかせください」
ひらりと手をあげて、リリコにあいさつをすませてフローラが駆け去っていく。
「あっ」
と救いをもとめるようにユノは呼び止めるも、銀色のおかっぱ頭はさっさと竜と合流して、里から森のほうへと行ってしまった。
「こっちへ」
ふい。とリリコがほっそりとした顎をあさっての方角へ向ける。
そのまま、ユノがついてきていることも確認せずに、妖精の少女は速足であるいていってしまう。
ユノはもう建物や木々のかげに消えてしまったフローラたちと、小さくなりつつあるリリコの背なかとを忙しなく見やった。
(うう……。しかたないか)
地球にいたときには、おないどしくらいの女の子とは、小学校を卒業してからほとんど話しをしたことのないユノである。フローラはこちらが消極的でもガンガンふところにすべり込んでくるところがあるから付き合いやすいものの、リリコという少女のツンとつました態度には、明確な『拒絶』の気配があり、やりにくい。
すこし距離をおいて、リリコのうしろにつきながら、ユノは自分に用意された宿泊所はどこにあるのだろうと、里からはなれていく道の先に思いを馳せた。




