41 ピコピコ
〇まえの回のあらすじです。
『ユノがフローラとリリコのやりとりにハラハラする』
「ねえフローラ」
「あによ?」
ブルーの双眸でユノを横目にみやりながらフローラは訊いた。
ぼそぼそとユノはかのじょの耳元にはなす。
「あとでいろいろこさえなきゃならない労力を考えたらさ、きみがボクをつれてってくれたほうがよくない? ラクでしょ」
ラク。というのは、もちろんフローラのことだけを思って言ったわけではない。
リリコの決して自分たちと視線を合わせようとしない、能面みたいな冷めきった表情をユノはぬすみ見る。
終始ぶすーッとしている。
(ボクだって、あんな知らない人といっしょはごめんだもんな……。あいてだって、なんかすっごいイヤそうだし)
「つーても、わたしはいま現在、の時間をやりくりしなきゃなわけだし。ま、リリコはちょっとふてくされたところあるけどさ。慣れりゃあかわいいもんよ。ねこみたいで」
「わかったふうなくちをきかないでください」
頬のひとつも赤らめずにリリコは反駁した。が、かわいいとほめられるのはわるい気がしないらしい。
ぴこぴこ。
顔の輪郭から突き出たほそながい両耳が、ゆかいそうに揺れていた。




