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【異世界転移】をやってみた《4》 ―旅のおわり―  作者: とり
 第2話 セレンのなくしもの
32/82

 32 人ならざる者





   〇前回のあらすじです。

   『フローラとパンドラが、【霊樹れいじゅなえ】がつぶれたことをさとる』










 「うーん」とフローラとパンドラはこまりがおをしていた。

 【霊樹れいじゅなえ】の損失について、「どうしたものか」となやんでいるのだ。

 はなしの腰をるとは知りつつも、ユノはふたりに気になっていたことをく。

「ねえ。フローラとパンドラは、ここになにをしにきたの?」

「ハルをさがしにきたのよ。苗のことももちろんあるんだけど、この子三日(みっか)も帰ってこなかったんだもの」

 とフローラ。

「もっとも、三日みっかの不在もいまとなっちゃあ、うしろめたかったからって分かったけどね」

 肩をすくめていうのは、パンドラのほうである。

「霊樹の苗って、そんなにたいせつなものなの?」

 ユノはふたりの少女しょうじょに訊いた。

 フローラの腕から、金のりゅうがのがれようとみじかいあしをじたじた動かしている。

 じとっとフローラのが妹をおろした。

「とりあえず、【里】のほうに帰りましょうか。ユノも来なさいよ。パンドラからはなしは聞いてるわよ」

「うん」

 数日すうじつまえに、ユノはパンドラと行動をともにしていた。そのときに彼女かのじょには【妖精ようせい】たちの場所ばしょ――【霊樹の里】へ行くというむねを伝えていたのだ。

 パンドラは、人ならざるもののみがとおれる【転移のひずみ】――【サラマンデル】たちが通ったのとおなじ裂けだ――をつかって世界をまたいだため、べつルートを余儀よぎなくされたユノとは、おおきな時間の差がしょうじてしまった。

 ユノが霊樹れいじゅさとへ行きたかったのは、人間の世界の『かみ』とうたわれる【金のりゅう】といたかったからだった。それが達成されたいま、目的はたされたようにおもわれた。





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