22 黒い絵
・まえの回のあらすじです。
『ユノがこどものドラゴンについていく』
さきをいく竜につづいて【島】をわたっていく。
強く踏み込めば「ぼよん」とジャンプしてしまいそうな足場の感覚に、ユノは「このままスキップでもしようか」という気持ちになる。
しかしなまじ高く跳んで着地に失敗して【橋】から落っこち、雲をひたすらまっさかさまというのもコワイので、おとなしくあるいた。
大陸の断片めいたちいさな浮島をいくつか経て、竜は大きな陸地のひとつにはいる。
草原があって、森がある。ゆるやかな丘をのぼっていく。
森林の丘陵地帯をすすんで、壕のようになったほらあなのまえにやってきた。
木や鉄材で補強がされている『坑』だ。「廃棄された炭鉱かな」とも思ったが、植物だらけの世界にそれはふさわしくないような気がした。
「ふさわしくない」といくら言い張ったところで、あるものはあるのだからしょうがないのだが。
「ふぎゃっぎゃ」
ごきげんそうに鼻歌して、竜はつい~とユノのあたまの高さから、坑をかろうじてふさいでいるおんぼろのドアのもとに下りた。
破れ目だらけで、どうみても捨てる予定だったのをもらってきたか、捨ててあったのをひろってきたかしたようなしろものである。
ユノくらいの少年なら、かがんでやっとくぐれる大きさのいりぐちに、竜はやすやすとはいっていった。
なかは外観からうける印象ほどせまくはなく、かなり奥行きがある。
焼きレンガを積んで、カマドか暖炉のようにした道具もあった。
炉のなかにくべていた薪に、竜はくちから火を吐いて点火する。
閉鎖空間における燃焼に、『一酸化中毒』をしんぱいするユノだったが、あとずさりして見あげたとき、ちゃんと空気の逃げみちをつくってあるのがわかった。
ひくいガケをのぼったあたりから、灰色のすじがのびている。
排管がかよっているのだ。それにかたむいたドアのちかくに、まるい窓がふたつ。
「硝子がはまっている」と決めこんでいたが、円形の窓枠に十字の木が組まれているだけで、空洞である。あかりとり兼換気用だろう。
「ぎゃぎゃ」
どっかりと、ふかふかの地面にすわって、屋内から手まねきする竜。ガラクタがごたごたと置いてあるそこは、『秘密基地』を彷彿とさせ、「部外者の自分がはいってもいいものか」とユノはしりごみする。
「…………おじゃまするね」
身体をかるく折りまげて、なかにもぐった。
ぱちぱち。
おもちゃみたいな炉のなかで木が燃えている。
竜のうしろや横のカベに、りっぱな『天体望遠鏡』や『ヘルメット』、まっくろなだけの『絵』や、人のものらしき『頭蓋骨』がころがっている。
「いいしゅみしてるね……」
「ふふーっ」
ほめたわけではないのだが、竜は「どうだ」といわんばかりに胸をそらせた。
ちょいちょいと金色の指を動かして、額縁に入れて岩かべに立てかけてある『絵』をしめす。ユノがながし見ていたもののなかにあった、黒一色にぬられたものだ。




