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【異世界転移】をやってみた《4》 ―旅のおわり―  作者: とり
 第2話 セレンのなくしもの
22/82

 22 黒い絵





   ・まえの回のあらすじです。

    『ユノがこどものドラゴンについていく』










 さきをいくりゅうにつづいて【しま】をわたっていく。

 つよみ込めば「ぼよん」とジャンプしてしまいそうな足場あしばの感覚に、ユノは「このままスキップでもしようか」という気持ちになる。

 しかしなまじ高くんで着地に失敗しっぱいして【はし】からっこち、雲をひたすらまっさかさまというのもコワイので、おとなしくあるいた。

 大陸の断片だんぺんめいたちいさな浮島うきじまをいくつかて、竜は大きな陸地のひとつにはいる。

 草原があって、森がある。ゆるやかなおかをのぼっていく。

 森林の丘陵きゅうりょう地帯をすすんで、ごうのようになったほらあなのまえにやってきた。

 木や鉄材で補強ほきょうがされている『あな』だ。「廃棄はいきされた炭鉱かな」ともおもったが、植物しょくぶつだらけの世界にそれはふさわしくないような気がした。

 「ふさわしくない」といくら言いったところで、あるものはあるのだからしょうがないのだが。


「ふぎゃっぎゃ」

 ごきげんそうに鼻歌はなうたして、りゅうはつい~とユノのあたまの高さから、あなをかろうじてふさいでいるおんぼろのドアのもとにりた。

 だらけで、どうみてもてる予定よていだったのをもらってきたか、捨ててあったのをひろってきたかしたようなしろものである。

 ユノくらいの少年しょうねんなら、かがんでやっとくぐれるおおきさのいりぐちに、竜はやすやすとはいっていった。

 なかは外観からうける印象いんしょうほどせまくはなく、かなり奥行おくゆきがある。

 焼きレンガを積んで、カマドか暖炉だんろのようにした道具もあった。

 のなかにくべていたまきに、竜はくちから火をいて点火する。

 閉鎖へいさ空間における燃焼ねんしょうに、『一酸化いっさんか中毒ちゅうどく』をしんぱいするユノだったが、あとずさりしてあげたとき、ちゃんと空気の逃げみちをつくってあるのがわかった。

 ひくいガケをのぼったあたりから、はい色のすじがのびている。

 排管はいかんがかよっているのだ。それにかたむいたドアのちかくに、まるいまどがふたつ。

 「硝子がらすがはまっている」と決めこんでいたが、円形の窓枠まどわく十字じゅうじの木が組まれているだけで、空洞である。あかりとりけん換気(かんき)ようだろう。


「ぎゃぎゃ」

 どっかりと、ふかふかの地面じめんにすわって、屋内おくないから手まねきする竜。ガラクタがごたごたといてあるそこは、『秘密ひみつ基地』を彷彿ほうふつとさせ、「部外者の自分がはいってもいいものか」とユノはしりごみする。

「…………おじゃまするね」

 身体をかるくりまげて、なかにもぐった。

 ぱちぱち。

 おもちゃみたいなのなかで木が燃えている。

 りゅうのうしろやよこのカベに、りっぱな『天体望遠鏡(ぼうえんきょう)』や『ヘルメット』、まっくろなだけの『絵』や、人のものらしき『頭蓋骨ずがいこつ』がころがっている。

「いいしゅみしてるね……」

「ふふーっ」

 ほめたわけではないのだが、竜は「どうだ」といわんばかりにむねをそらせた。

 ちょいちょいと金色のゆびを動かして、額縁がくぶちに入れていわかべに立てかけてある『絵』をしめす。ユノがながしていたもののなかにあった、黒一色くろいっしょくにぬられたものだ。






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