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【異世界転移】をやってみた《4》 ―旅のおわり―  作者: とり
 第2話 セレンのなくしもの
20/82

 20 妖精の世界





   ・まえの回のあらすじです。

    『ユノが光のはしらに飛びこむ』







   〇



 光のうずのなかで、ユノは正体しょうたいなくらいだ。

 ふわふわと浮くような酩酊めいてい感。

 を閉じて、きみょうな感覚がおさまるのをじっとつ。

 両足りょうあしが堅いものにれた。

 すとん。

 とおとをたてて着地する。

 重力じゅうりょくが復活したように、ずしりとしたきのちからが全身にかかる。

 自分のあしで立つ感覚。

 まぶたを持ちあげる。

 うすくあけたに、「サッ」とすべりこむものがある。

 光だ。

 まっしろで、目のくらむほどにあかるい。

 みどりのにおいがした。すみきった空気の、はいたす清涼せいりょうなここち。


(天国?)

 ユノはかんぜんにをあけた。

 純白じゅんぱくな輝きにぼやけていた視界のピントが、徐々(じょじょ)っていく。

 『そら』があった。あしもとに。

 巨大きょだいいわおやまのように盛りあがった雲海うんかいが、島々(しまじま)をよこぎっていく。

 周囲しゅういにひろがる光景に、ユノはあぜんとした。

 ちかくに人里のようなものはない。眼前にひろがるのは、無数むすうしまと、ふねのごとく遊泳ゆうえいする白雲しらくものかたまり。

 そのいずれもが、日差しのなかにあった。

 『天上てんじょう領地くに』なのだ。ここは。

 夜空よぞらよりもたかくのかくれることもない。あるいは時間のながれがちがう。

 まばゆさだけがちた場所ばしょ

 【かみ】も【妖精ようせい】も【精霊】もいるのなら、なるほどここは、「天国」とんでもさしつかえのないところだった。

 ユノは自分の立っている地点をあらためる。

 エンタシスにささえられた、祭壇さいだんのうえにいた。【ほこら】。とでもいうべきか。

 あたりに壁やとびらはなくて、ユノがでてきた光のはしらは、だまりのなかにきだしになっていた。


「ぎゃふぎゃふっ!」

 すぐそばから声がした。ユノはきょろきょろ、左右さゆうまわす。

 だれもいない。

「があっ!」

「えっ」

 ぼんっ。

 火のたまが飛んできた。

 ユノのあたまに直撃ちょくげきする。

 あかねつ球体きゅうたいは、ゆきだまのようにはじけて消えた。

 完全な不意打ちに、こめかみにうけた衝撃しょうげきにまけてユノはころぶ。すぐにこしながら、腰の剣に手をのばす。

 と、視線がぶつかる。

 黄金おうごんのまなざし。


「ぎゃぎゃっ。ぎゃふー!」

 つる性の植物しょくぶつが、天然芸術てんねんげいじゅつのようにかざりたてるギリシャ風の石柱せきちゅう。そのたいらな天頂てんちょうに、一頭いっとうの『ぞう』があった。

 西洋せいようの寺院においていりぐちをまもる、『ガーゴイル像』かとユノはおもった。だがちがう。

 【りゅう】だった。

 生きている。

 剣をくのもわすれて、ユノは金色のちいさな竜に見入みいった。

 ぽかんとくちをあける剣士の少年しょうねんのまぬけづらのうえで、竜の稚児ちごはゆかいそうに、手をたたいてわらっていた。






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