13/82
13 トカゲと神剣
・前回のあらすじです。
『ユノがエクスカリバーをよぶ』
ユノは気を取りなおした。剣の柄を握ろうと、地面に突きたてたエクスカリバーにちか寄る。
「なあ。オレにいちど、ためさせてくれないか」
ヨルムンがユノをさえぎって言った。
絶大な威力を持つ剣を【モンスター】に貸すのは抵抗があったが、いままでのやり取りから、この三人はユノが思っているほど悪いれんちゅうではなさそうだ。
「わかった」
首肯して、ユノは剣のまえから退く。ヨルムンが「わるいな」と言って、剣の柄に手をかけた。そのとき。
――ばちん!!!
「っぎゃあああ!!!」
強烈な閃光が飛んで、ヨルムンの手を弾いた。灼熱の火花が、彼の爬虫類の手を焦がしたのだ。
てのひらがただれ、溶けた皮膚の奥から生肉が見えた。
「なっ、なんでだ!? 【神剣】には、魔物はさわることもできないってか!?」
(そういえば……)
なげくヨルムンを横目に、ユノは、この世界【メルクリウス】に来てすぐのことを思い出していた。




