12 剣が降ってくる
・まえの回のあらすじです。
『ユノがセレンをよぶ』
「……。……」
「……。……」
「……。……」
「……。……」
ユノをはじめ、ヨルムンも、ニドヘーグも、半分だけのファブールもが、沈黙してセレンが来るのを見まもった。だがいつまで待っても、『三・五』人のいる山頂部に、妖精の女があらわれる気配はない。
「来ないね」
ニドヘーグが、どこかおさなさを感じさせる声で言った。
ユノもうなずいて、ヨルムンに向きなおる。
「いそがしいのかも。呼んでも出てこないときって、けっこうあるし」
「おたかく留まってるってわけか」
「でも、剣だけならなんとかなるかも」
大きな鼻にシワを寄せるヨルムンに、ユノはなだめるようにつぎの案を出す。もう一度曇天をあおぎ、なんとなし腕を突きだした。
あたかももとめる武器が、そこにおさまるのをのぞむように。
「【エクスカリバー】を!」
ユノの呼び声に、光が応じた。ぶあつい雲のすき間に、チカリと星のようなまたたき。金色の光点は、一条の線となって空から地へと飛翔した。
神秘の宝剣――【エクスカリバー】だ。
「って、おいおいおいおい!」
ヨルムンがニドヘーグに命じて、ふたりそろってその場から跳びのいた。ユノもあわてて彼らのあとにつづく。
ずどん!
ちょうど、ユノが手をかかげて立っていた地点に、ねらいたがわず神剣が、オリハルコン製の刀身を突き立てた。
「あぶなっ」
あと一歩おくれていたら、自分の足に刺さっていたろう、空間さえ断ち切る剣に、ユノはとっさにさけんだ。




