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行間5
あぁ、と諦めたように私は倉庫の片隅に目をやった。
あれはあの時作業現場で見た人たちだ。
確かシュニン、とシゲだ。
よく分からないが、あの人にとっては大事な人なのだろう。
どうしてここに来てしまったのだろう。
どうして私を捜しにきてしまったのだろう。
そこで私は自分の服に引っかかっている小さな機械に気づいた。
この発信器が私の位置を知らせていたらしい。たしかに、普段だったらまた私を連れ出すことも出来ただろう。
でも、今は違う。
ここは戦場なのだ。
人間が作った三位一体の軍神の戦場なのだ。
死んで欲しくはない。
だが、私にそれを望む権限は無い。
私の身体は私であって、私でないものでもあり、私のものではないのだ。
私は、強制的に、反射的に微かに腕を振るった。
声はしない。
ただ、電気信号だけがあって声はしない。




