表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/6

change5 私は一体、何をしているのでしょうか?

私は一体、何をしているのでしょうか…。


悠が驚いた顔で私を見下ろしている。

私はというと、自分でも自分の行動に驚いている。


なぜなら、今まさに外へ出ようとしている悠の制服の裾を、私が握っているからだ。


「…春音?放してくれると助かるんだが…?」

「え…?あ!ご、ごめん!!」

私は慌てて悠の制服から手を放す。


そして、自分の行動の恥ずかしさで俯く。

私…何してるんだろ…。


「春音」

悠の声で顔をあげると、悠の顔が目の前にあった。

「な、何?」

「…いや。なんでもない。気をつけて学校来いよ。今は女だということをくれぐれも忘れないように」

そう言い、私の頭をそっと撫でると悠は出て行った。


●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○


思わずその場にへたり込む。

私…何してるんだろ…。


時計を見るとAM7:14と表示されていた。


私もそろそろ行く用意をしないと…。


と、玄関をあとにし、リビングへと戻ると、一人の幼い女の子がいた。

どこぞで見たことがあるシルエット。

何だろ、この既視感…。


そして、その子が振り返った瞬間。

「ああああああああぁぁぁぁぁぁぁあああああああああ!!!!」

私は、近所迷惑という言葉をすべて投げ捨てるほどの大きな声で叫んだ。


それは、私の体をこんな風にした張本人。

マジョ子だった。


「あ、元気そうでなによりでしゅ」

マジョ子は無邪気に笑う。

しばく…コイツだけは…!

「何しにきたのよ!?」

私は一歩、また一歩マジョ子へと近寄っていく。


「マホウがちゃんときいているか、確認しに来ただけでしゅ」

「へぇ…。で?この魔法、はやく解いてくれない?すごく迷惑してるんだけど?」

「いやでしゅ」

即答かいっ!!


ええい。もうこうなったら…

「力づくでも解かせる!!」

と、マジョ子を押さえ込もうとマジョ子に触れた次の瞬間。


マジョ子が私の目の前で、幼女から18歳ぐらいの男になった。

「な!?」

男の身長は、悠よりも少し高いくらいだろうか?

寝癖のようなボサボサの漆黒の髪に、シルバーブルーの瞳。

さらに、左耳にはピアスに、漆黒のロングコートを羽織っていて、誰がどう見ても魔王様のような出で立ちだった。


「ったく。やっと元に戻れたか」

男は前髪をかき上げる。

「あの…」

男が私を見下ろしてくる。


「お前は…あの時の…」

「?」


私は訳が分からず、ただ男を見ていると。急に男が私を押し倒してきた。

「痛っ」

床で思いっきり背中を打った。

頭は、男の大きな手が守ってくれたようだった。


「な、何!?」

「お前、名は?」

「はぁ?」

「名はなんという」

「…春音」

「そうか…」

なんでこんなこと聞いてくるんだ…?

そもそも、どちら様…?


「で、あなた誰?」

「………ョ子」

…は?

今、なんて言った?

「マジョ子」


私は耳までおかしくなってしまったようです

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ