001 これは自動車だっつーの!
巻き添え……それは本人にはどうにもならない結果である……。
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◇異世界〈リィンカチートア〉 モブコロニの街◇
そのモブ男の名前は、鈴木だった。
しかし、明らか異世界っぽい名前ではない鈴木の現在地は、もちろん日本ではなく異世界と呼ばれる場所だ。
そんな鈴木は現在、西洋甲冑を纏う騎士の刃を首元へ向けられている。
「貴様の背後にあるその物体の名前はなんだ?」
「こ、これですか……じどう――」
鈴木が言葉を発した時、鋭き冷たい眼の騎士の握る剣が、少しずつ鈴木の首元に近づいて来るのを鈴木は感じ取った。
(こ、これはまずいのでは?)
「ちょいとお待ちを検監視様」
鈴木と検監視様と呼ばれた騎士に近づく一人の日本人らしき男が現れた。
「それは『救世女神アスカテリオス様が創りしからくり仕掛けの白馬車』でございますよ、ね? そうだろ?」
その男の発した言葉を聞いた鈴木は、正直訳が分からなかった。しかし日本から来た直後の鈴木からしてみれば、背後にあるのは、通勤に使用している白の社用車だ。
つまり白の自動車であり、それは紛れもない事実。
だが、その男が発した言葉により、首元に迫っていた騎士の剣が引いたのも事実だった。
「そうか、異界からの救世主たる救世女神アスカテリオス様がもたらした叡智の一つであったか、故に貴様達のような住人風情が、ありがたき叡智の名を知っているわけなかろうか」
「そうですよ、検監視様。イチ住人の私共風情が、救世女神様のもたらした叡智は、名前しか知るわけないのですよ」
「そうだな。剣を向けてすまなかったな、住人」
鈴木にそう告げた検監視の騎士は、自身の愛馬に乗馬しながら帰って行った。
「ふぅ、なんとかなったな」
「こ、これはどう考えてもおかしい! 白の社よ――」
鈴木が男に発した直後、鈴木のみぞおちを突いた男により、鈴木は意識を失った。
意識を失う直前、鈴木は次のように感じていた。
(あれはどう見ても俺の白い社用車だっつーの!)
続く
*本小説には、伏線等は一切無く、あるのは屁理屈によるこんな感じ⇒『救世女神アスカテリオス様が創りしからくり仕掛けの白馬車』みたいな現代知識の言い換えです。
つまりコメディです。




