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ひとりで死んで、ひとりで生きていく  作者: 夢宇希宇


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2/2

第1話

 ある日の朝。目覚めると、愛猫のタマが死んでいた。

 夜、寝た時は俺のベッドの足元で、丸まってすやすやと寝ていたのに。いつも通りで、体調が悪いとか何の異変もなく、本当にいつも通りだった。

 それが、目を覚ますと、タマは丸まったまま冷たくなっていた。

 そんな俺を襲ったのは、悲しみよりも喪失感の方がが大きかった。


「タマ…」


 死んでしまった、タマにどうしたら、何をどうやって、いや、何をしてあげたら?

 喪失感で上手く頭が回らない。だが、このまま何をしないでもいられない。

 何も特別なことをしなくても…。


「そうか。弔ってあげればいいんだ」


 そんな独り言に似た呟きしか出なかった。


 回らない頭で考える。

 今の俺に頼れるのは、情けないことにスマートフォンだけだ。まずは、ペットが亡くなったらどうすべきかを検索して調べた。

 導き出された答えは、ペット霊園で弔ってあげることで、その前にどうしたらいいかもペット霊園のホームページに書いてあった。

 段ボール箱に入れてあげて、その中に花やペットの好きなフードを入れるのが一般的らしい。

 タマは猫としては大きい部類に入るくらい体格は良かった。メジャーで測ってサイズをメモして、近くのホームセンターで段ボール箱を買えばいい。

 火葬費用は三万円で、霊園の合同墓地で供養してくれるらしい。諸経費を考えて、コンビニのATMで下ろせばいいか。


「タマ…」


 思うに、タマの18歳という年齢を考えると、寿命というか天寿を全うした大往生だというのが、俺には救われる。

 病気で闘病で苦しんだわけでもなく、静かにすやすやと息を引き取ったと思うからだ。


 やるべきことが決まれば行動するのみだ。

 電話をしなければ、ペット霊園に。

 スマホを手に取ると、近くの評判の良いペット霊園に電話をかけた。

 

「はい、メモリアルホール〇△です」


 年配らしき女性で、優し気な雰囲気が声からも伝わり、不安だらけだったが、少し不安が和らいだ気がした。


高木(たかぎ)といいますが、愛猫が亡くなったので、お願いしたいのですが。すみません、初めてのことなのでどうしたらいいのか…」

「ご愁傷様です。弊社のホームページはご覧になさいました?」

「わかりやすくて助かりました。必要なものは大丈夫だと思います」

「それでしたら、本日午後でしたらいつでも大丈夫ですが、いかがですか?」

「午後少し遅くなるかもしれませんが…」

「ご心配なさらず。24時間365日対応しておりますので、また何か不明なことでもおありでしたら、ご連絡下さい」

「ありがとうございます。では、よろしくお願いします」


 通話を終えると、どっと疲れが出て頭がくらくらした。

 ベッドのタマに話し掛ける。まるで、本当にただ眠っているかのように見える。


「タマ、お前との出会いは、あれは出会うべくして出会った運命の出会いだと思うぞ。今も可愛いが、子猫のお前は、またそれはそれで可愛かったな」


 そう。タマは俺の住むマンションの前に捨てられた捨て子猫だったのだ。

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