開き直り
「な、なんなんです?」
「ああ、そんなことは別に構わない。構わないがな。
そんなことのためだけにお前はここを潰したのかと思うと、ひゃははは!おかしくてな!」
「そんなこと、ですって?」
「そうだ。俺が謝ったところで多少の溜飲は下がるだろうが!
それだけだ。何も変わりはしない。そいつの過去も俺の未来も!」
「一体なにを……」
「ああ、そうだ!くそったれめ!結局、何をしようが、俺は死ぬんだよ!」
「死刑かどうかはまだわかりません。反省の態度を見せればあるいは……」
「そういうことじゃねぇんだよ!はは、どうして俺みたいな奴隷商人が生計を立てれると思ってんだ?」
「それ、は……」
商売の基本は需要と供給だ。
きっと、それは奴隷商人でも同じだっただろう。
つまり、奴隷を求めるものがいるから、存在する。
男はそう言いたいのだろう。
「だとしても、違法であることには変わりません」
「違法、違法ねぇ……じゃあ、なんで買う奴がいるんだ!必要だからだろ!」
「それは裁判で話して下さい」
「裁判?ハン!そんなもの受けられる筈がないだろう!」
「どういうことです?」
「消されるんだよ、俺たちは!」