第21話:変化
男子嫌いで鈍感な女子高生、蓮花はいつも遠くからさり気なく助けてくれる中学の同級生田中とは安心して会話ができるようになった。高校に進学し、田中とは真逆のタイプの瀬野と出会い・・・続きは本編でどうぞ・・・。
文化祭前日―
楓:美里ちゃん、看板こんな感じ?
美里:そぉねぇそんな感じでオッケー!
クラス全員がメイド・ボーイズカフェのセッティングをしていた。
蓮花:ねぇ、美里、あたしら明日何時から何時に表出るの?
美里:なんだかんだでさぁ、みんな盛り上がってるからさ、うちら12時~13時に出ようかと思って。
蓮花:そか。なんでまたその時間なの?
美里:だってさ、みんなお昼どきだからカフェなんてこないっしょ~?丁度穴場かなぁって思って。
蓮花:ほぉ~頭いい~♪あたし装飾品取ってくるぅ~♪
美里:でっしょぉ?ふふふっ宜しくぅ~♪
蓮花は装飾品を段ボールに詰めていたら、瀬野が寄ってきた。
瀬野:入口の分か?
蓮花:うん!
蓮花は一瞬昨日の瀬野の言葉が頭をよぎって、また動悸がした。瀬野も座り、段ボールに入口の分の装飾品を詰めだした。
瀬野:お前のメイド姿もいよいよ明日か。
蓮花:いやらしい言い方しないでよっ!
瀬野:健康な証拠だろうが!!
蓮花:どんな健康よ!
瀬野:こういう話しする男子は嫌いじゃないんだろ?
蓮花:好きでも無いっていったし!
瀬野:なんだよ。俺好かれてねぇのかよぉ。
蓮花:瀬野は・・・・・(あれ?)・・。
瀬野:俺は?
蓮花:よく・・・解んない。
瀬野:そっかー・・・・先は長いなぁー。
そう言うと、段ボールを持って入口の方へ歩いて行った。
蓮花:・・・・。
蓮花は最初、瀬野が近寄ると、気持ちがザワザワしていたが、今は全くそれが無くなっている事に気付いていた。蓮花の気持ちを確認しながら接してくれていたので、怖かったはずの距離感に少しずつ慣れてきていた。蓮花の中で瀬野の存在が変り始めていた。というより既に・・・この気持ちが一体何なのかはこの時彼女はまだ知らない。
瀬野:おい!手伝え!
蓮花:(はっ!!)あぁ、ごめんごめん。
ドアの付近に高橋は椅子に座りながら絵を描き、その周りを瀬野と美里と蓮花は飾り付けしていた。
美里:高橋、邪魔だよ、ちょっとそこどいて。
高橋:おいっ!俺も絵~一生懸命描いてんだよ!<(`^´)>
4人が作業していると、部活を終えた田中と佐藤(田中のクラスメイト)が3組の前を通った。
田中:おー、様になってきてるなー。
瀬野:田中・・・。
蓮花:田中くん、部活終わったんだ。今から文化祭の準備?
田中:そ。過酷だわぁ~本当は家帰って寝てぇ(笑)。
蓮花:アハハ!大変だね!
美里:田中!うちら明日12時から1時間表出るからね!見に来てよね!あたしたちの晴れ姿!(^◇^)。
佐藤:え~楽しみだなぁ♪(^◇^)。
田中:見に来るわ!
瀬野:お前は来んな!
田中:何でだよ!
美里:まーまー落ち着いて。
田中:じゃ、準備頑張れな!
蓮花:そっちもね。
佐藤:じゃぁね、美里ちゃん、蓮花ちゃん!
美里:じゃぁねぇ!
蓮花:・・・・。
田中と佐藤は自分の教室へ戻って行った。
瀬野:(蓮花ちゃん!!!???)なんなんだあの男は・・・!!
美里:田中の友達、で同じ部の佐藤くん(^◇^)。人懐っこいのよね。
高橋:まぁた瀬野の機嫌が悪くなってねぇかぁ?
瀬野:うるせっ!!
高橋は軽く頭を殴られた・・・。
高橋:いてぇ!!<(`^´)>
美里:・・・・大丈夫かな明日・・・(-_-;)。はぁ・・・。
瀬野:お前も蓮花ちゃんとか呼ばれてヘラヘラしてんな!!
蓮花:っはぁ~!?してないし!!
瀬野:何であいつは名前で呼んでんだよ!!馴れ馴れしいな!
蓮花:しらないわよっ、美里もあたしも最初からちゃん付だったし!どっちで呼ばれても別にいいでしょ!
瀬野:じゃぁ俺が蓮花でも大丈夫なのか!!
蓮花:大丈夫だよ!!
少し間を置いて・・・
瀬野:え?大丈夫なのか。
蓮花:え?あんた美里は美里でしょ?大体なんであたしは木内なのよ。そっちのが不自然じゃない?
瀬野:・・・・そ・・・・そうか・・・。
高橋:木内はー・・・名前で呼べない雰囲気があるっつぅかぁ・・・。
また高橋は軽く瀬野から殴られた。
高橋:いてぇ<(`^´)>!なんなんだよぉ・・・。
美里:よしよし・・・(笑)。
美里は高橋を笑いながら慰めた。
美里:じゃぁ~、今日から名前で呼べばぁ~?考えてみたら変よねぇ~。
美里はニヤニヤしながら言った。
蓮花:蓮花でいいよ別に・・・。
瀬野:・・・・・・れ・・!!急に言えるか!!
美里:はぁ~?
瀬野:・・・・・・・・・・蓮花。
蓮花:はい。
瀬野:!!・・・・。
瀬野は大分照れながら言った。なんだか蓮花は嬉しかった。