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底辺配信者だけどダンジョンで人気探索者を助けたら、なぜかやべぇ女として大バズりしてみんなから怖がられている  作者: 北町しずめ


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 ドゴッ! ビシャ! ドゴッ! ドゴッ! ジュバッ! ドゴッ! ドゴッ! シュバッ!


 新ダンジョン『明星の導き』に踏み込んだミヨリは、ハイスピードで突き進んでいた。


 石造の悪魔であるガーゴイルや、鶏の胴体に蛇の尻尾がついたバジリスクが襲いかかってきたが、デコピンと影から生やした触手で蹴散らしていく。


 いくつか魔石をドロップしたけどスルーしていき、短時間で第七階層まで降りてきていた。


:ちょっwwww なんだこれwwww

:出てくるモンスターたちが次々と吹っ飛ばされてくwwww

:ずっとミヨリちゃんのターンwwww

:新ダンジョンでも進むスピードおかしいwwww

:もう第七階層まで来ちゃったよwwww

:あれ? 変だな? このまえ見た探索者の配信では、数時間かけてもこの階層までたどり着けなかったのに?

:俺が見た探索者の配信では、石化の状態異常を使ってくるバジリスクは危険な相手だから戦闘にすっごく時間がかかってたよ?

:おいこれ下手すりゃマッハで新ダンジョンを踏破しちまうぞwwww

:魔石をドロップしてもスルーしとるwwww

:大人である代表や腹黒さんたちがいても、ミヨリちゃんたち未成年がいるから持ち帰れないwwww

:この光景を見ても、ムラサメちゃんたちが平然としてるのがおもしいんだがwwww

:代表にいたっては、さっきから後方腕組み彼氏面でウンウンうなづいてるwww

:なんだかダンジョンを掃除してるみたいね(母より)

:宮本さんは学校での掃除当番のときも真面目に取り組みますからね! ダンジョンもしっかり掃除しててえらい!(先生)

:神は掃除をサボらないんだよ!(大親友)

:学校での掃除とダンジョンの掃除を一緒にすんなwww

:そもそもこれ掃除じゃねぇからwww

:新ダンジョンの攻略とは、ダンジョンの掃除だった説wwww


「待って! ちょっと待ってちょうだい! さっきからおかしいわよ! 何がおかしいって、全てがおかしいわ!」


「ミヨリさんのダンジョン攻略は配信で見ても頭おかしくなりそうでしたが、こうして生で見ると、もっと頭おかしくなりそうですね」


 モンスターを瞬殺しながら突き進むミヨリに、美鈴は叫び声をあげ、涼子は頭痛を堪えるようにこめかみを指で押さえていた。


 目の前で繰り広げられる光景を無表情で見ていた綾乃は、二人からの抗議を聞いてハッとする。


「言われてみれば、確かに変ですね!」


 多少はミヨリに耐性がついてきたため、モンスターがデコピンで吹き飛んだくらいでは驚かなくなっていた。そんな自分の変化に綾乃は戸惑う。


「ミヨリくんの活躍をそばで見られて、わたしはうれしいよ」


「イツモノコトダヨー」


 後方でミヨリの快進撃を見守っていた玲奈は、ほっこりとしながら微笑む。


 小春は感情が抜け落ちてカタコトの喋り方になっていた。


:ムラサメちゃんたち、これが異常なことだって気づいてなかったwwww

:ミヨリちゃんと一緒に冒険して感覚が狂ってしまったかwwww

:ミヨリちゃんに慣れてきたんだねwww

:俺もミヨリちゃん慣れしてこの状況に違和感なかったwww

:新規の視聴者たちは、めっちゃ驚いてるみたいだがwwww

:海外勢も驚いてるwww

:この配信を見てる海外ニキたちが「ファワッッッッツ!」ってなってたwwww

:パーティ内でも新参と古参の間で感覚にズレがあるwwww

:代表うれしそうだなwww

:小春ちゃんロボットみたいになってるぞwwww

:他の探索者の配信を見れば見るほど、ミヨリの異常さが際立って頭がどうにかなりそうだ……(父より)

:他の探索者のことに詳しくなったせいで、娘の異常さを理解してしまうおとんwwww

:ジワジワと後からわかる娘の恐ろしさwwww

:遅効性の毒かな?

:ミヨリちゃんのは異常配信だからwwww

:おとんはムラサメちゃんの配信を見て精神を安定させるんだwwww


 コメントが盛りあがって高速で流れていく。それはいいことだけど、毎度のことながらミヨリがやべぇ女として扱われていた。


「あなたたち、おかしいわよ! 人として大切な何かを失ってるわ!」


「まともな感性が麻痺しているようですね。あぁなったら、人として終わりです」


 美鈴と涼子から指摘されると、綾乃は「うぐっ」と顔をしかめる。


「確かに、わたしはミヨリと時間を共にしたことで、おかしくなっていたようです」


「なんだかムラサメちゃんに失礼なこと言われてる」


:一緒にいることで他人さえおかしくしてしまう女wwww

:ミヨリちゃんと一緒にいたら、みんな変になってしまうwwww

:他人の精神構造まで変質させちゃうとか、ガチでやべぇ邪神みたいだなwwww

:いずれは全人類がミヨリちゃん色に染めあげられるよ(大親友)

:こぇぇよwwww

:ミヨリちゃん色ってなんだよwwww

:全人類がミヨリちゃん色に染めあげられたら、それはきっと素晴らしい世界になるわね!(先生)

:みんなが大親友ちゃんや先生みたいになったら、それはやべぇ世界ですwww

:地球がやべぇ世界になるまでのカウントダウンは既にはじまっていたwwww


 コメントが賑わっていて、視聴者たちが楽しんでくれているようだ。千紗と静江は、相変わらず変なことを書き込んでいるけど。


 ふと、そこでミヨリは疑問が浮かぶ。ドローンカメラを見あげながら、そのことについて確認を取ってみた。


「そういえば、今日は先生、わたしの友達と一緒に配信を見てないんですか?」


:………………(先生)

:無言www

:先生が黙ったwww


 答えづらかったようで、スマホ画面を見下ろしても無言の返事しか書き込まれていなかった。


:わたしは先生と一緒に配信を見たかったんだけどね。誘っても断られちゃったよ(大親友)

:たくさんの人形たちもいるから、絶対にみんなで見たほうが楽しいに決ってるのにね!(大親友)

:あっ……(察し)

:なるほど、謎は全て解けた(名探偵)

:俺の推理が正しければ、おそらくヒントはミヨリちゃん人形にある!

:それしか思い当たらないwwww

:先生www 大親友さんと距離を取りましたねwwww

:以前の反省を踏まえて逃げたかwww

:逃げるに決まってんだろwwww 大親友さんがミヨリちゃん人形を取り出してお喋りしてくるんだぞwww

:なんだよその最強の精神系攻撃www

:大親友さまはミヨリ軍の幹部のなかでも優れた精神攻撃の使い手wwww

:当然のようにミヨリちゃん人形を同席させようとしてくる大親友さんwwww

:特に一緒に見る理由もなかったので、今回は大親友さんとは別々に視聴させてもらっています(先生)

:いきなり真面目な返答wwww

:なんというペラッペラな建前www

:おそらく画面の前で冷や汗をかいてる先生wwww


 どうやら今回は、静江と千紗は一緒に配信を見ていないようだ。千紗の言動や人形のことを考慮すれば、無理もないことだけど。


:先生と配信を見られないのは残念だけど、たくさんのミヨリちゃん人形にかこまれてるからさびしくないよ!(大親友)

:いつの間にかミヨリちゃん人形たちが三千体に増えちゃってたから、置き場に困ってるけどね!(大親友)

:だけど毎晩ミヨリちゃん人形たちに埋めつくされて、ベットで眠っているから幸せ!(大親友)


 千紗からのコメントを目にすると、ミヨリは寒気がして快進撃を続けていた足を停止させた。


:三千体!!!

:ヒエェェ……!

:人形増えすぎだろwwww

:いつの間にか増えてたって、つくってるの大親友さんでしょwww

:まさかミヨリちゃん人形は大親友さんの手でつくられているのではなく、自動的に増殖してるというのかwwww

:このままでは世界がミヨリちゃん人形に侵略されてしまうwwww

:どんなにモンスターが出現しても平然としていたミヨリちゃんが固まったwwww

:大親友さんと別々に配信を見ていてよかったと、その確信を持てました(先生)

:先生www

:教え子と距離を取りたがる先生wwww


 いきなりミヨリが立ち止まったので、綾乃が「どうしたのか?」とうかがってくる。


 ミヨリは綾乃のほうを振り返って、笑いかけた。


「心配しなくても大丈夫だよ。わたしの人形が三千体に増えただけだから」


「それは大丈夫じゃないだろう」


 安心させようと思って伝えたら、綾乃をはじめとした仲間たちが顔をひきつらせる。


:よかれと思って話したんだろうけど逆効果だったwwww

:みんな引いてるwww

:モンスターが瞬殺されても平然としていたムラサメちゃんも、ミヨリちゃん人形の大増殖にはドン引きだなwwww


 コメント欄だけでなく、仲間たちもどよめいていた。もしかしたら『明星の導き』にもぐって、初めての窮地に立たされているかもしれない。


:増えたのはミヨリちゃん人形だけじゃないよ!(大親友)

:ミヨリちゃんのペットであるワン太人形と、メースケ人形と、ムラサメちゃん人形もつくったからね!(大親友)

:おまwwww

:ペットwwwww

:ムラサメちゃんペット枠だったwwww

:おい! 誰かこの大親友を止めろwwww

:……ゾッとした(父より)

:お父さんがビクッってなったwwww(母より)

:ミヨリちゃんとミヨパパをそろってゾッとさせる大親友wwww


「わたしの友達が……」


 千紗のことを口にしかけると、綾乃がビクリと竦みあがる。


「また、友達がどうかしたのか?」


「ムラサメちゃんの人形をつくってるって」


「わ、わたしの人形……?」


「うん。ワン太やメースケと同じで、わたしのペット枠として」


「ペット! わたしペット枠!」


 ムラサメちゃん人形の存在を知らせると、綾乃がショックを受けていた。そばにいる涼子が「わたしもそう思います」とうなづいている。


:ムラサメちゃんめっちゃ衝撃を受けてるwwww

:まぁムラサメちゃんはミヨリちゃんのペットみたいなものだけどもwwww

:んなわけあるかいwww

:腹黒さん共感すんなwwww

:え? ムラサメちゃんはミヨリちゃんのペットでしょ?

:おかしいな? 最初からムラサメちゃんはミヨリちゃんのペットだったはず……

:視聴者たちの記憶が改ざんされてるwwww

:これも大親友さまの能力だというのかwwww


 コメントの流れが加速していく。いくつか悪ノリもまじっているけど、盛りあがっているようだ。





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― 新着の感想 ―
ミヨリちゃん人形がいつの間にか先生の部屋に置かれていてしかも増えるとこまで見えた しかも大親友はそれを知らない(ホラー
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