集いの場パナック
「はい、確かに確認いたしました、こちらが報酬の銀貨1枚です。ギルドカードの提示をお願いします」
お姉さんにギルドカードを渡すと、なにやら機械に通していた。クエストをクリアするとポイントが入り、一定ポイントを超すとランクアップをすることが出来るらしい。ランクアップすることでより高難度のクエストを受けられるようになり、より報酬も上がる仕組みになっている。
「拓海さんはこの後予定ありますか?」
「ん?どうしたのもう一つクエストでもするつもり?」
「いえ報酬が三人で割り切れないので、余ったお金で食事にでも行こうと思っているのですが」
「いいにそれ、拓海も一緒に行こうぜ」
「まぁこの後に予定もないからいいよ」
三人でパナック行こうという話になった。冒険者の集まる酒場らしい。ご飯がおいしいので前から行きたかったみたいだが、女の子二人で入りずらいみたいだ。
「いらっしゃい、空いてる席に座っておくれ」
大柄な女将さんという言葉がピッタリの店員だ。メニュー表を見たが、なんて書いてあるかわからなかった.....ライラとエミルに注文を任せることにした。
しばらくして、注文したものが運ばれてきた。
「お待たせ鳥のテリマード、鳥のカラゲ、鳥のステーリだよ」
「わー美味しそう、拓海さんは鳥のステーリです。」
鳥の照り焼き、唐揚げ、ステーキにそっくりな料理が出てきた。この店の鳥は脂がのっていて美味しいらしい。たしかにこのステーキは美味しい。脂がのっているし、何より味付けがいい。ぼくたちは会話することも忘れて食事に没頭した。
「拓海さんどうでした?」
「うん、すごく美味しかったよ。それにしてもすごい人だね。さすが人気の店だよ」
「それもありますがこのパナックは冒険者の集いの間としても機能しています。たくさんのクエストの情報やダンジョンの情報、パーティの募集などをしている人がいます」
「なるほどね、どおりで人が多いわけだ」
「ま、私たちだけだとあまり来れないけどな。どうだ、これから私たちとパーティを組まないか?ちょうどヘイトを集めてくれる、壁がほしかったところだから」
「こら、エミルそんな言い方ないでしょ。すみません、でもパーティに前衛がいると心強いので入っていただけませんか?私たち2人だけでは最近クエストをこなすのが大変で」
「ぼくなんかでよければよろしく頼むよ」
こうしてライラとエミルのパーティに加わった。