第2話:世間知らずの微笑み
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第2話では、真理を探求するはずの研究室でミナが初めて「汚れた金」に触れる瞬間、そして少しずつ崩れていく日常が描かれます。
入学して一ヶ月、研究室はすでに私の日常の足枷のように、強固な一部となっていた。
基礎的な雑用を学び、実験の動線を体に覚えさせ、先輩たちの膨大な生データをエクセルで機械のように整理する、無味乾燥な日々。
ところがその日は、研究室の空気からして少し違っていた。
午後三時ごろ、ドアが開いて見知らぬ男が入ってきた。自らを「テヒョン病院の医師」と名乗ったが、パリッとした白衣の代わりにシワ一つないカジュアルなシャツ姿で、手には分厚い茶封筒を持っていた。
「ほんの気持ちです。よろしくお願いします」
封筒が教授の机の上を滑る瞬間、雑に閉じられた接着面が少し開き、薄い紙に包まれた何かの断面が覗いた。
教授が貪欲に封筒を手に取ると、タイピングをしていた私をチラリと見た。
「ミナ。ちょっとこっちへ来なさい」
席を立って近づくと、教授はその開いた封筒を私の前へポンと押し出した。
その中には、ピン札の一万ウォン札の束がぎっしりと詰まっていた。
「君が一度数えてみるか? 数が合っているか確認はしないといけないからな」
「えっ? 私が……これをですか?」
「なぜだ? 私たち家族が使う研究費なのに」
教授のメガネの奥で、息の詰まるような眼光が光った。拒否は許されない雰囲気だ。
私は震える手を伸ばして札束を握った。お金からは、ひどい消毒薬の匂いと生臭さがした。
生命科学の真理を追い求めて入った研究室で、私が初めて触れたものは、患者のデータを売り飛ばした汚い裏金だった。
紙幣をすべて数え終えてうつむくと、教授は満足そうに私の肩をポンと叩いた。
「この子はまだ世間を知らないな」
笑いなのか皮肉なのか見当もつかない、妙にねっとりとした傲慢な口調だった。
「研究というのは結局……すべてお金があってこそ回るものなんだ」
引き出しが開き、茶封筒が闇の中へと姿を消し、やがて引き出しが閉まった。それがすべてだった。
その日の夜十一時を過ぎても、私は研究室の隅に閉じこもり、見知らぬ患者たちの臨床データをエクセルに入力していた。
教授はこの退屈な労役を「実戦感覚を身につけるトレーニング」だと包装した。これが本当の学問的トレーニングなのか、それとも別の不純な目的のための代筆なのか、まだその境界がわからなかった。
黒く沈んだモニター画面に映った私の顔が、一ヶ月前の私とは少し違って見えた。疲労と疑念が入り混じった眼差し。
鞄から黒い手帳を取り出した。
『2002年4月11日。今日、医師だという人が分厚い茶封筒を持ってきた。教授の指示でそのお金を直接数えた。』
『でも奇妙なことに、指先に残った不快な感覚が消えない。』
『教授は私を見て世間を知らないと笑ったけれど、その乾いた笑いの残像がやけに長く残る。夜の12時を過ぎたのにまだ研究室だ。』
『今私が打ち込んでいるこのデータが何の作業なのか、まだよくわからない。』
最後の一行に句点を打ちながら、「よくわからない」というその一文が、卑怯にも現実から目を背けようとする自分へのちっぽけな嘘のような気がして、頭をよぎった。
第2話をお読みいただき、ありがとうございます。
研究室という密室で堂々と行われる裏金のやり取り。そして「世間を知らない」と笑う教授のねっとりとした視線。
ミナの手帳に刻まれた「よくわからない」という言葉は、これからどんな確信へと変わっていくのでしょうか。
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