表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界呪われた救世主〜異世界召喚されたら呪いで女に。呪った奴はぶっ飛ばす〜  作者: 陽月純
第1章 救世主と聖女

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

40/228

試練の塔攻略3

 二階層目の転移陣から出た場所は、やっぱりプリメラのいる女神の間ではなく、試練の塔内の通路だった。しかも、前後に道が続く通路のど真ん中で、人が一人通れる位の狭い通路だ。どう考えても、いかにも挟み撃ちされるぞと言わんばかりの。


「やっぱり、知らないフロアだわ」

「そうか。それより、この状況どう思う?」

「どっちに進むかで、敵が変わるとかですか?」

「いいえ。きっと、これは挟み撃ちされるのよ」

「俺もそう思う。ミコトは俺とポーラの間に居てくれ」


 俺とポーラでミコトを挟むように並ぶと、早速、召喚陣がポーラの前に現れる。


「来るわよ」

「え、こっちには何も無いぞ」


 後ろを振り返れば、大きな盾を持った石像がポーラの前に出現した。その後ろにも何体か姿が見える。ポーラが戦闘態勢に入れば、盾を構えた石像がポーラに向かって突進してきた。


「このっ!」


 ポーラも前へと走り出す。挟み撃ちじゃないのかと思いつつも、俺は後ろの警戒を続ける。どっちにしろ、二人は通れない。ポーラに任せるしかない。


 ポーラの剣と石像の盾がぶつかる。石像はポーラの攻撃を完全に防いだ。これは、あの石像の防御力が前のフロアに現れた剣を持った石像よりも高いのだろう。装備でステータスが違うようだ。


「<アドバンスフォース>」


 ミコトがポーラにバフを掛ける。通路が狭いためポーラの剣は突くか縦斬り、袈裟斬りしか出来ない。そのため、大きな盾に身を固めた石像はポーラの攻撃を全て盾で受け止める。


 すると、ポーラが突然後ろに飛んだ。ポーラの立っていた場所に石の矢が突き刺さる。盾の石像の後ろにいる杖を持った石像が魔術を使ったのだ。


「ポーラ! 大丈夫か!」

「大丈夫よ」


 盾の石像が防御を担当し、杖の石像が隙あらば攻撃する布陣というわけだ。しかも通路が狭い。この盾の石像をどうにかしないと奥にいる杖の石像を倒せない。厄介だな。


 ポーラの方に気を取られていると、背後に気配を感じ振り返ってみれば、盾と杖の石像が立っていた。


「やっぱり挟み撃ちかよ!」


 ポーラの攻撃が全く効かないんだから、俺の攻撃が通じるわけが無い。つまり……。


「魔力回復薬、使い切るつもりでやるしかない!」


 盾の石像へ駆け出し、牽制に左の拳を盾に向けて叩きつければ、石像が盾を前に押し出した。石像に力負けし、体勢を崩されてしまい、次の攻撃に繋ぐ事が出来ない。


「ちっ!」


 盾に押し潰されないようにすぐに体勢を整え、一旦後退する。そこに石の矢が降り注ぐ。危なかった。もう少しで石の矢で剣山みたいになる所だった。


「お前は邪魔なんだよ」


 今度は<アクセルブースト>を使って、突っ込んでいく。石像は再び盾を構え、俺の攻撃に備える。今だ! 俺は横の壁に向かって飛び上がり、壁を蹴るとその勢いで反対の壁を蹴り、盾の石像の頭を飛び越えた。


「凄い!」


 後ろからミコトの感嘆の声が聞こえたが、そのまま杖の石像へと駆けていく。杖の石像が、杖の先を俺に向けて、十本程の石の矢を真っ直ぐ放った。


「当たるか!」


 盾の石像を飛び越えたのと同じやり方で石の矢を飛び越え、そのまま顔面を殴ると、杖の石像は後ろに吹き飛んだ。


「思った通りだ。魔術士タイプなら、防御力低くて、俺の攻撃でも通用するぞ」


 すると、背後で石像が崩れ落ちる音が聞こえる。どうやら、さっき避けた石の矢が盾の石像に当たり破壊されたみたいだ。


 物理には強いけど、魔術には弱いのか。


 とは言っても、俺達に魔術を使えるパーティーはいない。ポーラは<ファイアアロー>を使えるけど、そこまでの威力は求められない。なら、ポーラが相手している石像、あれも奥の杖の石像に倒させるか!


 その前に目の前のこいつを!


 今の感触なら、きっとこれで倒せる。


「<双牙>、<疾風>ぇっ!」


 高速の突きが杖の石像の顔面に直撃する。<双牙>の効果で二撃分のダメージが入るが、まだ石像は崩れない。続けて左拳を叩き込む。まだ壊れない。だが、罅は入った。なら、これで!


「いけぇっ! <疾風>!」


 再び高速の突きが石像の顔面を捉えると、石像の顔面が粉々に砕け、そのまま体も崩れ去った。


「よし、ポーラ今そっちに……」


 振り返ってみれば、ポーラが石像の持っている盾を粉々に砕く所だった。盾が無くなった石像は只硬いだけの石像。ポーラに滅多斬りにされ、あっという間に粉々に砕ける。そのまま杖の石像へ駆け出し、これもまた簡単に倒してしまった。


 本当に火力の違いが嫌になるな。俺にももう少し火力があれば、もっと上手く立ち回れるんだろうな。


「アスカ、どうかしたかしら?」

「いや、手伝おうと思ったらもう片付いたみたいだから、いいよ」

「そう。でも、私より先に倒してしまうなんて、アスカもやるわね」

「いや、俺の場合は運が良かったんだよ。杖の石像が放った魔術で盾の石像が倒されたから」


 ポーラは首を横に振る。


「それでも、あのファミリア達は私に合わせて強さが調整されているのだもの。凄いわよ」


 ミコトもポーラに相槌を打つ。二人から褒められて照れくさいのを悟られないように、


「さ、さぁ。兎に角、奥へ行ってみようぜ」

「そうですね。進みましょう」


 ポーラも頷き、ポーラの倒した石像が居た道を奥へと進んだ。


 突き当りには次の階層へと進むための転移陣が輝いていた。


「二人共、いいかしら?」

「どうした?」

「はい」


 ポーラは魔力回復薬をポーチから取り出し、


「たぶん、この次か、その次位が最後の試練になると思う」


 まだ三階層目だが、もう次で終わり?


 疑問に思っていたのが分かったのか、ポーラは話を続ける。


「本当ならもっと、十回層くらいあるはずなのだけれど、この階層のファミリアの内容が終盤に近いのよ。たぶん、ミコト、あなたが居るから、プリメラ様、順番を飛ばしているのよ」


 そんなものなのか? まあ、早く上に到達するのなら、それに越した事も無いけど。


「だから、かなりキツくなるわよ。次の階層に行く前に準備はしっかりしておくのよ」

「分かった」


 俺は<錬気>で杖の石像に使った分のOPを回復し、<アクセルブースト>を重ね掛けすると魔力回復薬を飲み、万全の状態になる。


「じゃあ、私もこれを」


 ミコトが俺達に<アドバンスフォース>、<アドバンスギア>を掛けてくれた。


「よし、行こう!」


 俺達は輝く転移陣の中に入ると、次の階層へと転移される。視界に広がる転移の光が収まると俺達が立っていたのは、二階層目と同じだだっ広い部屋。ただ、二階層目と違うのは、目の前の壁に上り階段があるという事。


「やっぱり、ここプリメラ様のいらっしゃる階へと続く塔の最上層より一階下の部屋よ。これが最後の試練だわ。気を引き締めるわよ!」


 ポーラの掛け声に反応するように召喚陣が展開されたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ