表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/56

45.特別編6 気になるあの子

「そろそろ、お帰りいただけないか?」


 もうすぐいつもの喫茶店というところで、俺はカラスたちへ苦言を呈する。

 しかし、しかしだ。奴らはまるで俺の話を聞いちゃいねえ。ワザとか知らないけど、くあくあやらぐええやら煩く囀るのみだ。

 

「だあああ、うるせええええ!」


 つい奴らに突っ込みを入れてしまった。

 予想通りというかなんというか、奴らは面白がって更にうるさくなる!

 ち、ちくしょうう。

 

「俺はこれから静かな喫茶店に逝くんだよ。アンンダスターン?」

「ぱーどぅん?」


 う、うぜええ。このクソカラスがあ!

 その自慢気な顔をやめろ。あ、いや。俺がそう思えるだけで、カラスの表情なんて分からないんだけどな。


「特別なところを除いて飲食店には動物持ち込み禁止なんだよ」

「ぱーどぅん?」


 こ、こいつうう。こうなりゃ物理だ。

 俺は手を振り上げようと腕に力を込める。が、何やら背筋が寒くなった。

 嫌な予感がした俺は左右をちらりと……ね、猫の眼光がやべえ。こいつは触れたらあかんやつやで。


「だあああ、突くな、こらああ。せっかくセットした髪の毛が乱れるだろ」

「今更だな、青木」


 涼しい顔でそうのたまうカラス。

 は、話が進まねえ。

 

「構いませんよ。良一さま」


 ん、この凛とした俺の心を鷲掴みにする声は……。

 全く気配も音も聞こえなかったが、肩がくっつきそうな位置にメイド服姿の美女が立っているではないか。

 美女は物語の世界から出て来たような幻想的でかつ清楚、そして完全無欠のスレンダーボディをしている。ぺたんこぺたんこ。左右の目の色が異なり、日本人の髪色とは根本的に異なる艶やかな黒髪。

 薄い唇が彼女の華麗さを彩っている。

 彼女こそ、俺の気になるあの子ことミオだ。

 

「え? こいつらもいいの?」

「はい。構いません。しかし、良一さま、先ほど何やらよろしくないことをお考えでしたよね?」


 冷気を感じる。

 あ、いや。変なことなんて考えてないはず……ってなんでカラスもミオも俺の考えていることが分かるんだよお。

 まさか、知らぬうちに声を出していた?

 

「可愛いとしか思ってないけど……」

「……そ、そのことではなく」


 ミオの白磁のような滑らかな肌へ朱がさす。ちょろいん万歳。

 

「また不穏なことを考えてらっしゃいましたね」

「だから、なんで考えていることが分かるんだよおおお。ま、まさか昨日のことも……」


 いや、ミオは知らないはずだ。俺の一番のお宝本のことなんて。

 

「何でしょう? その本とは?」

「し、しまった! 誘導尋問だ。抗議する!」

「何やら裸の女の人でしたよお。僕には何がいいのか分かりません」

「ちょ、ハト。余計なことを言うな!」

「まだ下品なモノを集めてらっしゃったんですか?」


 寒い、寒いいい。

 刺すような視線をミオから感じる。

 

「とりあえず行こうぜ、青木」

「お前が言うなあああ」


 俺はカラスに全力の突っ込みを入れた。

 く、くうう。このメンバーだと俺の気力が……青木くんのライフはもうゼロよおお。

 なんて考えていたら、頭をカラスに突かれた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ