水攻め
幼い子供の話をしよう。記録とした方が表現的には近いだろうオサッンの記憶を持ったガキンチョに自我が芽生えたばかりの事の話だ。
田舎の村にうまれたガキンチョは家の仕事を遊びだと教えられて一生懸命遊んだ。
友達は居なかった。畑以外に余分な知識は与えられなかったから鍬をてに遊び、たまに来る行商人に村の大きな子供が載せられていく事があったが村に帰らなかったりするたびに、オッサンのラノベ知識から検索しては人買いである事を学んだ。
村人が見向きもしない葉っぱ(オオバコやペンペン草)で小腹を満たしたり、人目を避けてカエルや川魚を焼いて食べてみたりと大変な子供時代だった。
その頃には、誰に習うわけでもなく回復や強化など身体を楽にする魔法を自然に使えてたガキンチョ。
何も楽しみがない事に気がついた。
現代社会とかけ離れた世界。
そしてたどり着いてしまった。
身体に優しいベビーローションからの大人のヌルヌルローションは気持ちよいとオッサンの記憶にあったんだよ。
いや、感覚は共有してないからわかんないんだけど、その気持ちよいの意味も解らず“気持ちよい=楽しい”と思って頑張っちゃったせいであんなん魔法開発してしもうた。
試してがっかり泥塗れになっただけ、水系統の癒やし魔法なんだがガキンチョにはまったく気持ちよくないし攻撃には使えなす。
超やっちまった系魔法だね。
ある意味禁忌で大人には欣喜魔法よ。
遠距離のための圧縮の術式が使えない弊害なのかね。
使えない原因は、物理の知識がある事らしいけど、水圧とか知識があるから出きると思いきや、理論的に無理と考えてしまうのが原因だねー。
圧力かけても球で飛ばす意味が分からんしな。
石なげたらいいじゃん?みたいな。
実際、筋力ある人が投げた石はマックスズーキも真っ青よ。
威力あっても自然石投げたらそれ魔法じゃなくて物理法則なのよ。
回復魔法は逆に使えるのが不思議なんだけど、これが適性って奴なんだろうね。
因みに、あのローションは半個体で固まったまま遠くまで飛ぶ。
特大の火炎弾すら十メートルもいきゃただの暖風で拡散拡散。
大概の魔法は外から圧縮するのが常識で、現代知識から内側の核の設定したら、火炎弾が核融合起こしそうだから絶対やらね。
魔法はイメージだから被害やばいよ。
科学知識あるから尚更ぱね。
ローションは、唯一無二の遠距離魔法になる訳だが渇くけば消える。
でも、流通の要である街道の崖の坂道に撒いといたらエラいことになるだろうね。
皆崖に転落するだろうし盗賊以外に需要ないから誰にも教えてません。
まだ、養子になる前に生み出したから、騎士から逃げる時に結構役にたった記憶があります。
ガチムチローション。
もしくは、踊る肉団子の甘酢あんかけの騎士集団だから、ガチムチローション騎士団ですねー。
―やだ、素敵すぎて濡れそう。
キャッキャウフフどっと払い
人買いだと思ったから、手加減しなかったんだぜ?
よく大の大人がガキンチョのイタズラ(脱出)に耐えたものよ。
やっぱり恵まれてんな。
教頭の一人や二人我慢しよう。いや、分裂したら気持ち悪いから逃げるけど、ローション塗れのアレがエイリアン的など躍動感でそろそろ腹から何か孵る頃合いじゃないかと思われる。
「アティが魔法を使うとろくな事にならないのは何でなんだ?」
あやや、心外な。
世に蔓延る全ての回復役は不幸や戦乱がないと必要とされませんからの。
「人が争いがなければ自由も平和も感じられない醜い生き物だからじゃないかな?」
「よくわからんが、違うと思うぞ」
「ん、わからないならわからないで」
お茶を濁す。
そーゆーことだろ?
もしかしてだけど?
教頭に回復魔法かけてますか?




