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恐慌

うっそーん。


眼下には、渡り廊下を歩く異様な男。


剥げたバーコードにズボンはは半分脱げたその姿、鯉〇郎をさがし社内をさ迷う、釣りを愛するヒラリーマンの悲哀を誘うあの姿。


「…行方不明じゃないじゃん」


「アティ!アティ!見えない」

窓が高いから持ち上げてくれとエリックが抱っこを要求してくる。


本格的に子守してる気分になってきました。


「あれは教頭か?」


「そうなんだろうけど、そう思いたくない」


充血してるらしき目は虚ろ。

ゾンビのように足取りはたよりなく生きる屍の様相を呈していた。


生徒が、学園祭の外来客を避難させているし、腕に自信あるらしき生徒が数人が教頭の後をツケている。

タイミングを見計らい取り押さえるつもりなのだろう。


どう考えても普通の状態じゃあないね。


精神操作に抵抗したスパイが、精神を破壊された名残を見せられた事があるが、冬眠のクマほどの呼吸しかなく徘徊すらしなかったもんだが…。


「私が近付いたら、飛びかかって来そうな雰囲気ですよねぇ」

理性が戻るかわわからないけど、相当逆恨みされてそうですし。


「おしめにウンコ漏らした幼児みたいな動きだ」


いや、エリックの感想もごもっともですが…。

あの爺トランクスてはなくブーメランパンツ履いてやがって、視覚的被害が酷い事になってる。


見るに耐えない。見るのまでに支度がいるレベルで、直視したくない。なぜブーメランパンツ。


そこブカブカの縦縞トランクスでしょ。


ブーメランパンツ履いてお尻汚れてたら最悪よ?


あれか、とある赤い魔法使いが精神集中の為にバンダナに宝石仕込んであるみたいに、ブーメランパンツの締まりで精神集中の効率を高めてるとか?


いやいやそんなバカな。


マジだとしたらいやいや。


年寄りの尻エクボにさわやかさなんかないから止めて?


てか、アブラギッシュでも、手足細いのに、正中線にからむ部分の顎の下の弛みやポッコリお腹って何か昔の日本画の鬼みたいなスタイルみたいで嫌よ。



どんな生活したらそんななるのか不思議すぎて理解が追いつかん。


とりあえず誰か状況説明プリーズ。



「アティ、無駄肉が当たってる」

「他にどうしろと?」

抱っこしたら胸くらい当たるだろうさ?


“当ててんのよ”


―当たるのよ。


とりあえず、貴族の付き添いの騎士さんは護衛に専念して手を出すつもりは無いみたいですね。


あれだけボケてたら、詠唱とか必要な魔法攻撃はできないだろし、皆が躊躇してるのは危険だとか怖いというより教頭がきったないからだな。


取り押さえると服汚れちゃうから触りたくないよね。


取り押さえても、武勇伝じゃなくて黒歴史になるわ。


正に状況は最悪の一言。


だが、私は足止めとか邪魔する魔法なら得意。


「“油谷”」


撒かれた液体で教頭ズルベタン。


足滑らして顔面強打、ヌルヌルする液体を相手に一人渡り廊下で暴れてる。


「…無様ね」


「酷いのはアティだと思う」


私に抱っこされてる男の子がなんかい言いました。



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