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休日なの試練なの?

「さあ、早く食べるのだ。朝食の後は出掛けるのだからな!」

朝からエリックが張り切ってます。


「今日、なんかあっりましたっけ?」


「む、なにか行きたい場所でもあったのか?」


「いや、特になにも…」


何も予定ありませんよ~だ!すいませんね。エリックが来なければ夕方まで寝てるだけだったでしょうよ。


「そうか!なら“転移”」


「……………」


お待ち下さい御曹司。


おい、だれか止めてくれ。



エリックは天才だから単独で転移魔法が使えた。

そして、何故にか魔法学園にいた。


ただ、やたらと周りが騒がしく食べ物の匂いが流れてくる。


食堂から離れた場所なのに?


―それよりも


「ぅぷ…気持ち悪」


喉まで戻ってきた胃の内容物。ギリギリかけら程度の被害に留められた朝食を左手口を抑えながら嚥下する。


いや、弾き出された時の空っ欠の状態の時よかはるかにましだけど、人が意図的に使った転移魔法ってのも精神に負担かかるのな。


本来、この魔法は他人も転移させる時には、同じ行き先を思い浮かべさせ互いの負担を僅かなりとも減らすプロセスがあった気がする。


同じ場所のイメージがないと転移しないから、故に巻き込み転移は起きない。


一般的ではないけど大掛かりな装置が必要で高価な費用がかかる移動手段として存在している転移装置、あれは同じ魔法陣が目印で、装置を管理してる人同士で転移先設定してくれるから魔法陣の中に居れば誰でも移動される仕組みで、転移魔法とくらべて安全性は高いらしい。それですら平行感覚がしばらく戻らないなんて話はきいたね。


エリックさん、私に内緒で不意打ちで転移しましたよ?


「今日はなんと学園祭なのだ!」


「…ゴホゴホ。どっかで水飲みだい」


「うむ、まずは喫茶店を探のだな」


いや、むしろ洗面所でうがい位で構わないっす。

魔法であらかた治したから気持ち悪いくらいで済んだけど、普通なら多分歩けない所か気絶してても可笑しくないぞ。

自力でなんとかしちゃったしエリック悪気ないから怒れない。

このハシャぎ様怒ったらエリック凄く落ち込むのが容易に想像できるわ。


私が喜ぶと思ったからサプライズのつもりだったんだが、喜ぶより先に胃液で声出せなくなりそうだよ…。


手を引くより先に相手を労って欲しいです。転移魔法は慣れてないと危ないんだぞ?


―壁の中にいる…とか。


侯爵様の役立たず。

区切ります

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