あるいは
「…だいぶ静かになりましたね」
再び図書館は閑古鳥の住処になりました。
ゴキブリと警備員は、普段見えない場所にいるから恐れられるらしいです。
はい、自宅警備ですねわかります。
中の図鑑や辞書じゃラインナップ悪かったのかね。再び誰かがくる様子もありません。
ラノベ系は倉庫にあるせいか、中庭はそれなりに賑わってるんですけど、あちらは気軽に行けるように図書館とは別に入口を作っちゃったから誰も図書館本館に来ないんですよ。
学生とかでもいたら調べ物しに訪れそうなもんなんですが、地方にある学校は基本的に日本の小学校レベル。
大学や研究室のあるような地域なら、研究や論文を書くための情報集めに奔走する者の姿もあろうが、この街ではわざわざそうして調べる者もいない。
故に図書館は閑古鳥の巣になるのである。
しかも古巣で、二度と閑古鳥も寄らないのかも知れない。
縁談話ですか?
知り合いでも他国の貴族でしたから、仲介役として侯爵様が入って下さり却下してくれました。
一応私からもお断りの一文に“結婚とか縁談無理”と本音を交えてしたためまして御座います。
なにはともあれ、ビバ・ダンデズム。学園長といい侯爵様といい、出来た大人が多くて助かります。
前世のオッサンの環境より、何もしてない今世のほうがよほど恵まれてます。
ただ、サンデック侯爵が私にエリックを勧めたのは、エリックのパートナー(正確には婚約者候補とか夜会での連れ添い係)になってれば、サンデック侯爵から口を挟みやすいからだったようです。
でも、形だけでもそうゆう関係になると、やはり夜会なんかで顔見せくらいはしなければならないようでした。
野外(野宿)なら割と生けますが夜会とかストレスで軽くシヌると思うので、断って正解だったと思いました。
それに、サンデック侯爵からしたら下っ端の身辺整理は大した作業ではないといい、“それより、迷惑をかけるが今後もエリックと仲良くしてやってくれ”と話していました。
実際、街でエリックに引きずられてるのが何度も見かけられてますし、悪気なく市中引き回しの上晒し者にされるのですよ。
まぁ、年季が違いますから、他の女の子に同じ事して泣かしたりしなけりゃ今更別に何もいいませんよ。
私が言っても止まりゃんせん。
そんな訳で、異性として接触されないのは、全然構わないのです。
エリックにも気安く話せる友人として認識されてるらしく、それはそれで安心出来るのですが、そろそろエリックには、女性の脆弱性とそれに対するへの手加減と言う物を覚えて欲しいです。
年は若いんですが、足の速いエリックに手を引かれると自力以上の速さで走らされるので、運動不足も相俟って、運動会のお父さん並みの勢いのまま数歩で足がもつれるんです。
支給品のコートが頑丈なので、打ち身がたまにあるくらいで大した怪我はないのですが、エリックにされるがままでいるのも大変なんですよと侯爵に伝えておきました。
伝えた途端に侯爵様が頭を抱え込んだ瞬間に、なにやら私の中で“勝った”といふ意味もない達成感に浸されました。
侯爵様もエリックに多少の助言を呈してくれるかと思われます。
まぁ、私はホントに気にしてませんから大丈夫なんですけどね。
今更~いまさら~(遠い目で)。
でも昼夜とわず、あれだけエリックが奔放に出入りしてるのに、ラッキースケベの一つも起こらないのは、私とエリックが男女の関係ではないからなんでしょうね。
親しいくても、隣のオバチャンとのラッキースケベはフラグ的にあり得ませんから、これがある限りエリックの友人のラベルが張がれる事はないでしょう。
―ふふり。
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休日の朝
「おはようアティ遊びに来たぞ!」
「…まだ眠い~」
「軟弱な!ほら早く起きて着替えるのだ」
「寒い~」
勢いよく扉を開けたエリックは、まだ眠るアティアの掛け布団を問答無用で引き剥がし、衣装棚から下着までを取り出して、自ら着替えを手伝っていた。
貴族の子供は性の目覚めに疎く、朝に弱いアティアがコレに気付く日は当分先の話である。
※普通なら最早ラッキースケベ所の騒ぎではありませんが、あまりに親しくしすぎてて互いに何も考えてない状態と化しております。




