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底辺男のミセカタ 〜ゴミスキルのせいで蔑まれていた俺はスキル『反射』を手に入れて憎い奴らに魅せつける〜  作者: 筋肉重太郎
第二十五章 第二防衛基地での契約

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帰り際

 第一防衛基地への侵略が失敗となってしまったことが判明して少し。第三防衛基地にて、桃鈴才華と護衛騎士団の1人、橋波宗太郎はとあることについて話し合っていた。


「ま、まさか桃鈴様が直々に付き合っていただけるとは……光栄の至りです!」


「あはは……そりゃ友達の初大仕事だもんね。送り迎えぐらいはするよ」


 橋波宗太郎はこの戦争において、初めての任務である最終防衛基地への情報共有の伝達役に抜擢されたのだ。桃鈴才華はそのつきそいで、大事な戦力ではあるものの、危険を孕みやすい情報伝達役にある程度以上の戦闘力が担保されるという点でメリットがあったため、つきそいを許されたと言う形である。


「しかし、上はなぜ私を選んだのでしょうかね? 雄馬や語部もいるのに……」


 護衛騎士団の中でなら誰でもいい。と言うわけでもなく、上は橋波宗太郎を名指しで単独指名してきた。橋波視点では光栄なことではあったが、もっと優秀な人物もいると理解している。だからこそ護衛騎士団の中で1番最初に仕事を与えられたのに違和感を感じていた。


 しかし、桃鈴才華は悩む素振りを見せつつも、明確な答えを見つけていた。


「うーん……人どなり……じゃないかな?」


「人……どなり? ですか……」


「雄馬くんはちょっと頑固なところあるし、友隣ちゃんは僕以外にはあんまり愛想良くないし、優斗くんは……まぁね? だから1番バランスが良くて、人がいい宗太郎くんが選ばれたんだと思うよ!」


 桃鈴才華の冷静な分析。いつもの橋波宗太郎なら1番と言われたことに浮き足立つところだが、橋波宗太郎はどこか違和感を感じていた。


「は、はぁ……ありがとうございます」


(……驚くほどにいつもの桃鈴様だ……最終防衛基地で見せたものではない……)


 騎道雄馬と秘密裏に共同戦線を組んでいる橋波宗太郎としては、病室での一件や先も言った最終防衛基地での態度の病変に、ここに来てのいつも通り。あまりにも不安定すぎて、むしろ今の柔らかい笑顔が意味深に見えてしまう。


(やはり何か、桃鈴様に変化が……)


「だからそんな顔せず! 頑張って!」


 手を胸のあたりに近づけ、上目遣いで応援ポーズを取る桃鈴才華。それはその名の通り、まるで華が咲いたような笑顔だった。


 橋波宗太郎としては、これでテンションが上がらないわけがない。


「ッ! ……はい! 頑張ってきます!」


 先ほどまでの疑心暗鬼はどこへやら、拳に力が尋常じゃないほど入り込み、その気合のまま飛んでいってしまった。


「……ふぃー……さて、私も行きますか」


 両手を伸ばし、だるそうな表情で呟く。先程の笑顔いっぱいな桃鈴才華ではない。言うなればオフモード。いや、こちらがオンモードなのか? 少なくとも、橋波宗太郎は気づかなかった。





(ちょろ……ま、モチベーションは大事だからしょうがないけど……まだ働いてもらわないといけないからね)





 天才らしからぬ、悪どい笑みに。

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