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底辺男のミセカタ 〜ゴミスキルのせいで蔑まれていた俺はスキル『反射』を手に入れて憎い奴らに魅せつける〜  作者: 筋肉重太郎
第二十五章 第二防衛基地での契約

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言葉の孕むもの

「さて、じゃあ次だ。なぜ第二防衛基地には有力兵士がいなかったんだ?」


「……もう質問には答えてやっただろう。2個目を言う理由は無い」


(へぇ、まだ反抗するか)


 伊達に俺を下に見てはいなかったらしい。プライドだけは一丁前だ。


「理由ならあるさ……後ろの……録音機か? それは」


「!」


(あたり)


 確証はなかった。だが、何の不意打ちもせず俺の目の前に現れたところ。1つ目の質問の返事があまりにも単純すぎたので、何かしらの通信機か、録音機を持っていると考察したのだが、どうやら当たりだったらしい。


(それにしてもよく顔に出る……ポーカーフェイスの訓練は知っていないのか?」


「……っ! なぜ……!」


「つーわけで2個目の質問だ。なぜ第二防衛基地には有力兵士がいなかった? ……答えろ」


 なぜ知っているのか。そう言おうとした橋波の言葉を遮り、2度目の質問を飛ばす。これは警告だ。これ以上口答えしようものならわかっているな? と暗に警告しているのだ。そしてそれがわからない橋波ではないことは、俺がよく知っている。


「……それについては……上の命令だ」


「上? お偉いさんが指示したのか」


「第一防衛基地に攻め込んだ時……第二防衛基地に配備していた方も送り込んだから……」


「ふーん……」


(つまり今回の状態は意図的なものではなく、侵攻が失敗したからこそ起きた現象ってことか……)


 だとしたら不運なこった。普通なら当然かつ隙にもならない行動なのに、俺という単独で動くイレギュラーの存在のせいでこんなことになってしまった。


(つくづく不運……いや、不運を生み出してしまったって感じか?)


 おかげで状況は理解できた。これで東京派閥の防衛基地は残り2つ。対して新潟派閥は3つ。戦力に差があるとはいえさすがに有利になってきた。


 しかし、俺がこの戦争に抱いた復讐の機会。それはあくまで予感や可能性に過ぎなかったが、ここに来て一気に確信へと変わった。橋波が戦争に呼ばれて、幼馴染が呼ばれていないわけがない。


(つまり……戦場にいる)


 新潟派閥の目標と俺の目標。これはあくまで別個の物だった。だがこうなってくると話が変わってくる。今、俺の目標と新潟派閥の目標が完璧に究極に合致した。


 つまり、俺が今ここからやろうとしている行動にやる意味が本当にあるのか。その確証を得れたのだ。


 頬が緩む。ほどよい緊張で体に油汗が浮かぶ。さて、やっていくか。


「……くくくっ……にしても、帰還したら防衛基地壊れてました……か……お前はのろまなんだなぁ? ……いや、()()()()()()()()()()()()()()()。の方が正しいか?」


「……! ……何を言っているのかわからないな」


 そんなわけがない。第二とはいえ、防衛基地を時間をかけて崩壊させたんだぞ。第二防衛基地への帰還中に音やら地面の揺れやら、何かしらの異変に気づかないわけがない。


「嘘つけ。子供の砂場遊びじゃねーんだぞ。帰る途中で異変に気づいたはずだし、そしたら急いで帰ろうとするだろ。でもお前はしなかった。その結果がこの不自然な出遅れなんじゃないのか?」


「…………」


 橋波は無言を貫く。図星なんだろう。


 もう橋波は俺の術中にはまった。護衛騎士団の中でも特に等身大。悪い意味でも良い意味でもイカれていない分、周りからの信頼も厚かった。故に扱いやすい。頭がおかしくなって突っ込んでくることもない。





 そんなことしても無駄だと理解しているから。





(もうお前には……その手にある剣は振り下ろせないよ)


「……ま、答えなくてもいいけどなぁ……」


 理解できるお前だからこそ、この言葉の孕む意味もわかってくれるだろう?





「そんな姿見たら、お前らが大好きなお姫様も失望しちまうかもしれないぜ?」





 俺は見た。橋波のしかめっ面が、何かに気づいたような驚愕の表情に変わるところを。

 


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