第一話 ウチのオカンがやって来た!
アンタな、この物語はな、
フィクション言うてやな、
架空の話なんやでアンタ。
せやから実在の人物や企業等とはな、
一切関係無いんやでアンタ、
やいやい言いなや、アンタ
第一話 ウチのオカンがやって来た!
タケシ
「うわ!何やこれ!?」
のんきに自室で昼寝をしてた高校生
タケシが目を覚ますと部屋の壁際に
謎の黒い煙状の渦巻きが出来ていた。
それは大人の身長ぐらいの大きさで
真円状に静かに渦を巻き続けている。
タケシ
「……何なんこれ?……
何かバリヤバイってこれマジで……
アカン怖い、マジどうしよ」
タケシは恐る恐る近づいてみる。
危害は無いようだった。
黒い煙に触れてみようと手を伸ばした時
タケシの手は突然渦の中心へと
吸い込まれた。
タケシ
「うわ!ちょお待ってえや!」
タケシの体は渦に吸い込まれ
渦の中に消えてしまった。
タケシが目を覚ますと、
そこはまるでRPGのような世界だった。
タケシ
「うーわ!異世界や!マジで!?
俺転生したんちゃうん!?
おっしゃー転生したってー!」
それ以来タケシの異世界生活が
始まったのでった。
剣と鎧と盾を身に着けて戦い、
ゴブリンを討伐し、
その賞金で優雅な生活。
モンスターを狩るハンターの仕事は
周囲からの評価も高く地位も名声も得て
タケシは現世の生活とは真逆の
順風満帆な異世界生活を満喫していた。
タケシ
(何なん、異世界バリ最高やん
もう勉強とか部活とかせんでええやん
もうずっとここで暮らしたろ
ゴブリンしばいとったら金もらえるし、
まわりからもチヤホヤされるし
めっちゃ最高やん
絶対戻らんとこ マジでもう絶対
家帰らんといたんねん)
そう思ってタケシは現世での生活など
忘れ、異世界での新たな人生を始めると
決意したのであった。
ある日、いつものように賞金目当てに
ゴブリンを狩りにタケシは
ゴブリン達の縄張りへと赴いた。
いつも通りにゴブリンを倒して
早く帰ろうと
油断していたタケシの前に現れたのは
ゴブリンの中でも強い上位互換クラスの
ゴブリンチーフだった。
タケシ
「アカン!何かこいつアカン奴や!」
タケシは逃げようとしたが
ゴブリンチーフが棍棒で
殴り掛かって来た。
タケシは盾で防ぐがその一撃は重く
タケシは一気に戦意喪失した。
タケシ
「うーわ、むっちゃ最悪や!
ヤバイマジどうしよ!」
逃げても背中を見せたら危険と判断した
タケシは剣で応戦するが
敵は素早く、タケシの攻撃をかわす。
タケシ
「ちょお避けんなやーキモイのー!
アカン勝たれへんわーもう終わりやー!」
タケシが死を予感したその時、
遠くから聞き覚えのある金属音が
聞こえてきた。
・・・ ・ーン チリーン
ゴブリンチーフも音の方に目をやる。
チリンチリーン チリンチリーン
タケシ
「え?……嘘やろ?オカン?……」
チリンチリーン チリンチリーン
オカン
「タケシ!アンタこんな所で何してんの!
早よ帰るでアンタホンマに!」
それはママチャリに乗って
タケシに向かって突進してくる、
タケシのオカンであった。
タケシ
「オカン!何してんねん!」
オカン
「こっちのセリフやわアンタ!
何やのアンタその格好RPGみたいな
格好してええ年してホンマにー」
タケシ
「いやちょお今ゴブリン倒してんねん!
危ないからオカンちょお離れとけって
マジで!こいつ強いって!」
オカンはママチャリから降りて
ゴブリンチーフと向き合った。
ゴブリンチーフはオカンを睨みつける。
オカン
「タケシ、
あんたこの子とケンカしたんか?」
タケシ
「ちゃうって、討伐してんねん。
でもな、そいつ強いねんヤバいで!」
オカン
「討伐って事はみんなに迷惑かけてるって
事なん?」
タケシ
「まあそうやな、家畜とか荒したり
人襲ったりとかしてるな」
オカン
「それ早よう言いタケシ。
アンタは黙って見とき。
お母さんがこの子におしおきしたる!」
ゴブリンチーフ
「ウオオオオ!!」
ゴブリンチーフはオカンを大声で
激しく威嚇した。
オカン
「何やのアンタ、やかましい子やな!」
タケシ
「ちょお、オカンやめとけって!」
ゴブリンチーフとオカンが対立し
一触即発のなか、
タケシは両者の威圧と気迫に圧倒され、
近づけずにオカンを見守るしか
なかったのであった。
つづく




