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第五十一話
信心が浅いという訳ではない。
だが、私は神だと言われて、はいそうですか、とはいかない。
すぐ傍で聞こえる寝息が女のものだと考えるだけで身震いが止まらなかった。
この世に生れ落ちて一六年、女人に触れたことのなかった段蔵の心臓は、飛び出さんばかりに高鳴っていた。
膨らみかけた虎千代の胸が脳裏に浮かぶ。
天を衝く股間を己で殴り付け、もう少しで悲鳴を漏らすところだった。
「こいつは、男だ。子供だ。男だ、男だ、男だ、男なんだよ~」
男、男と呪文のように呟くが、言葉とは裏腹に、虎千代が放つ微かな女臭を胸いっぱいに吸い込もうとしている自分がいる。
あーーもう!
身をよじり、両手で自身の体を抱きしめて、段蔵は眠れぬ夜を過ごした。




