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第五十二話
丸一日かけて信濃を抜け飛騨に入った。
山深く人の気配はとうに途絶えていた。
山道は木々が鬱蒼としていて昼間だというのに薄暗かった。
新緑のトンネルを抜けると少し広い道に出た。強い日差しに見舞われて視界がぼやける。
虎千代は額に手をやって陽を避けると、鴉天狗の様に頭襟を付け、結袈裟を着た山伏達がカモシカのように岩棚を駆け降りる姿が見えた。
段蔵は神妙な面持ちでひらりと急斜面を飛び交う山伏達を睨みつけて足を速めた。
虎千代も歩調を合わせる。
丸一日かけて信濃を抜け飛騨に入った。
山深く人の気配はとうに途絶えていた。
山道は木々が鬱蒼としていて昼間だというのに薄暗かった。
新緑のトンネルを抜けると少し広い道に出た。強い日差しに見舞われて視界がぼやける。
虎千代は額に手をやって陽を避けると、鴉天狗の様に頭襟を付け、結袈裟を着た山伏達がカモシカのように岩棚を駆け降りる姿が見えた。
段蔵は神妙な面持ちでひらりと急斜面を飛び交う山伏達を睨みつけて足を速めた。
虎千代も歩調を合わせる。