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第百六十話
醜悪な風貌の男が、黒滝城を訪問していた。男の左眼は無く、土竜の皮を鞣して作った眼帯を嵌めている。
「それで、再度景虎を討てと」
秀忠は重々しい声で男に答えた。
「左様。次は晴景殿をお動かしなされませ」
男はニヤリと不気味な笑みを浮かべる。
「ほう。あの気弱な、女色しか興味のない晴景をどう使うというのだ」
「反景虎勢力を総動員させて一気に景虎を討つ」
「その後はどうするのだ?」
「越後守護上杉定実を追放し、越後を奪う」
「それで?」
「我が親方様が越後に入られた暁には、黒田様にはそれ相当の所領を約束させて頂く」
「武田晴信殿の書状はあるのか?」
「これに」
男は懐から書簡を取り出し、秀忠に手渡した。




