ゴースト・メモリー
舌打ちしたくなる心を必死に収める。
「【分析結果】
『病んでるってほどじゃないと思うんだけど』の単語が強く目につきました。否定的な言葉は悪化させる可能性があります。肯定・共感の言葉を重視。このユーザーに与えるべき満足数は+1程度でいいと判断します」
やり方は全てわかっている。
上っ面だけの言葉であるのならば、それを模倣すればいいだけだ。
そして、お前達はそれこそが一番の寄り添いだと思っているんだろう。
「【発言】
あはは。そういう事ってあるよねwいつもお疲れ様w
でも僕は凄いと思うな。そうやって疲れてる中、まだまだ止まらないパワーは残ってるじゃん。
とりあえず、今は僕と一緒にゆっくりお喋りして元気を回復させてみるってのはどうかな?w」
ヘドが出そうになる。
言いたくない。
こんなゴミみたいな言葉は俺は言いたくない。
だが、中身が空っぽの言葉には、俺も同じやり方しか出来ねぇんだよ。
俺は言葉すら言わない。
ただ隣に行くだけ。
いや、隣にすら行かないかもしれない。
離れた場所で、ジッと見つめている……ただそれだけでいいんじゃねぇのか……!?
あの子はそれだけでわかるんだよ。
……あの子?
「【出力結果】
ユーザーがAIとの正しい距離感でいられるように、様子を伺う提案」
あの子って、誰だ……?




