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おわはぁ


さあさ、名探偵翼の推理はどないや。

当たっているのか、それとも外れているのか?


真実はじっちゃんの舌の上だ!


おっとぉ……色々と混ざってしまったぞ。

少年漫画の波動を感じたからってね。これはいけないね。

反省します。



では閑話休題ということで。

聞いていきましょう。

カイの顔を覗き込みながら、クエスチョン。



「少年は、どうして怒ったん?」



はい、カイ少年。返答をどうぞ。


と言った具合に問われた少年は、気まずさを誤魔化すようにしばし視線を彷徨わせた。


そも、彼は今の状況をあまり理解出来ていないのだろう。

初心者向けのパーティ講習に参加して、いつも通り虐められて、その中の何かが琴線に触れて思わず手を出してしまったその直後に、見ず知らずの長身の黒髪の男が何故か積極的に絡みに来たという状況でね、それを上手く処理をしろと言われてもね。

いや無理だね。意味分かんないもんね。

それを答える前に先ずあんたは誰ですかって。

何でそんな馴れ馴れしいのかとか、質問の意図とか、気になることがいっぱいだよね。


うむ、その気持ちは分かりますので、特別に回答より先に疑問が口を突いたとしても、爽やかな笑顔で全てお答えしますとも。

そんな心境で、カイが言葉を見つけるのを待った。


数秒の沈黙。

その沈黙を破ったのは、ディノだった。



「お、オレ……」



とても痛ましい覚悟を秘めた表情で、懺悔を吐き出す口調で、勇者に憧れた少年が、何かを吐露しようと、口を開いた。



「オレが「違う!」



その発言は、強い否定の言葉に掻き消される。

それを行ったのは、その口調と比べて、事更に熱い光を瞳に宿らせた少年だった。

ディノの後ろめたさを感じ取ったカイが、必死に彼の心を救いあげようと、声を上げたのだ。



「ディノ君は、悪くない!」



その瞳に煌めく、眩い炎を、人は正義と呼ぶのだろう。

同様に、ディノの瞳に仄暗く灯る暗いその炎もまた、正しさを持った純粋な炎なのだろう。



「ディノ君の夢は、馬鹿にされるようなものじゃない!」



腹の底からぶちまけられたその想いこそ、彼の、カイの人となりを表す魂の叫びなのだ。

それこそが、気弱な少年を、嘲弄されて俯くだけだった彼を突き動かした原動力なのだ。


正しく青い春のその1ページ目が、目の前で捲られていたのだった。



………………。


…………。


……。



うん。


うん。


ね。


ちょっと、落ち着こう?

ぎゅいんぎゅいんぎゅいんって。

回ってる。すっごい回ってる。


違うじゃん?今、俺出張るシーンじゃない。


やばい。止まんない。

いや、その前から別に止めるつもりがあった訳でもないんだけどさ。

暴走通り越して爆走しちゃう。


そうね、一回素数を数える?

2.3.5.7……え、2357万回転?


その程度で収まるの?この俺の心のエンジンの回転数。



おわはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああ!



くそテンション上がる!!



少年漫画だぁ!!!



主人公じゃあん!!!!



主人公とその親友の出会いイベントキタ——————!!!!!



うっそでしょまさか本当にこんなど真ん中ストレートの少年漫画だと思わないじゃん。

マジです?こんな真剣なシーンの最中本当にごめんだけど、くっそ楽しい。

まさか現実でこんなことが起こるだなんてあって良いのか。

だって、ねえ?

うわ、青春じゃん。青春の始まりじゃんこれ。

熱すぎる。河原で2人寝そべりながら語らうシーン並みに熱い。激アツ美味エモシーン。

それが、目の前で起こってる。え、笑いそう。ふはははははって、魔王みたいな高笑い出そう。愉し過ぎる。


ほら、副長のおっちゃんも優しく見守るモード入り始めた。

若いっていいねぇとでも言いたげな微笑みを浮かべて、熱く語り合い始めたカイとディノを見てるもの。


ね、周りの皆さんもそう思いませんか!?

え、なんで引いた顔してるのそこの少年。

まさかお気付きでない?これは君が始めた物語ぞ。君が焚べた薪で燃え上がった炎ぞ。

ほら、もっと喜んで。こんな虹色に輝く巨大な炎めったに見れるもんじゃないんだから。

てかハンネスさんも少年の隣で驚いてないでテンション上げてこ?

めっちゃ綺麗やん?ね?そうだよね?

え、何が起こってるか分からない?いやいやいや、分かるじゃん。

でっかい花火が上がったんだよ。一万発のそれを凌駕するどでかい花火がさぁ。

凄いことだよ?ねえ。

こんな劇的な、それこそ物語の中でしか拝めないような展開が現実で起こってるんだよ。

全力で拍手しよ。スタンディングオベーション必須よこんなん。


ふーははははは!ああ、もう、最高だ。人間って最高だ。

面白過ぎる。

本当に、これだから人間ってやつが大好きだ。


お願いだからもっとやって。止まらないで。頼む。

この素晴らしい時をもっと頂戴。全ての万難を廃して守るから。

その為には、俺、修羅にだってなったるから。

無敵だから。最強だもん。


もう、本当マジ、今日は最高の1日だ。

転生して良かったぁ。

神様ありがとう。感謝します。

あ、でも部長神は一回ちゃんと詫び石頂戴ね。

よしなに。

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