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副長の胃に追加ダメージだ!


結果から言うとですね……。

副長のおっちゃんの胃、無事昇天。


報告しに行ったら、血を吐いて後ろ向きにばたんきゅーだった。

生存確認で呼吸を確認した所、小さい声で「ツバサに……殺される」と呟いていた。

だから責任転嫁やめてね?天丼だしさ。


ミリアとセリナが大慌てで回復させたので、まあどうにかなったといえばどうにかなったんだけどね。

凄いよなその胃痛キャラ。完全に定番だよこれ。

もうフェリグラス草ずっとそのまま食べてた方が良いんでない?周りにとっても、本人にとってもさ。



「くぅ……っ。分かった。コレはギルド長と早急に協議する必要がある。……もうちょっとで退勤時間だったのになぁ!」



そんなこんな、報告を終えると、副長のおっちゃんは歯軋りしながら仕事に戻った。本当に申し訳ない。

ツヨクイキロ、ブライド。

でも見つけちゃったのは偶然なんだから許してクレメンス。

今度、酒でも奢った方が良いのかもしれない。

なんて考えていたら。



「私……今日副長と退勤時間同じなんです」



「え」



「凄く帰り辛いですぅ……」



副長のおっちゃんを見送った後、ミリアが若干涙目になりながらぼそりと言った。

可哀想に……。俺は彼女に甘味を差し入れする事しか出来なかったのじゃ。なんて無力なんだ……俺って。



「有能過ぎたせいだと思うけどね」



「ギルド職員としては、優秀な方は大歓迎なんですけどね」



と、打ちひしがれてたら、セリナとミリアには揃って苦笑いされた。

俺も笑うしかねえやこれ。ははっ!

そんな感じで3人で空笑いしていた所。



「ぬはははは!お前、2日連続で!やはり俺の目に狂いはなかったな!」



何故か大爆笑しているギルド長が、ドスドスと歩いて来た。

なになによ。何であーたそんな楽しそうな訳。

爆笑する要素どこにもないでしょうよ。

と、困惑していると、ギルド長にバシバシと両肩を叩かれる。痛いでごわす。止めるでごわす。

遠慮ねーなこの人は。



「情報感謝するぞ!相変わらずセリナの報告書は要点の纏まった良い報告書だ!まだ触りしか目を通してないが、調査の助けになるだろう!」



そして、一頻り俺の肩を連打したかと思うと、次はセリナの肩もバシンと一撃。

セリナよろけちゃったじゃん。女の子には手加減しなぎゃ駄目よ?



「ちょっとぉ、ギルド長?」



「おっと、すまん!ちと気分が上がり過ぎてな!それ程、お前達2人には感謝してるってことだ!」



豪快に笑いながら後頭部を掻くギルド長。

テンションたけーな。気分が上がってるってのはマジなやつね。

理由がさっぱり分からんけど。


ギルド長は一通り笑った後、ずいっと顔を寄せて……ていうか、俺の顔を覗き込んで来た。

近い。ガチムチのおっさんの顔面ドアップとか、視界の暴力なんですけど。

何でこんなことするの?え、もしかして昨日負けた腹いせとかだったりする?

だとしたら効果抜群だからもう離れてほすぃ。


少々面を食らい、硬直していると、ギルド長がにかっと歯を見せて笑った。

意外……と言ったら失礼かもしれないけど、歯ぁめっちゃ白いな。ホワイトニングしてる?

てか、何その悪友を誘う時みたいな悪そうな顔。なんか企んでますね?

何かに巻き込もうとしてますね?

拒否権は無さそうな気がするんだけど、どうかな?



「坊主、3日後なんだがな。予定を空けておけ」



「え〜……」



ほらぁ……命令口調だもの。

嫌な予感バリバリします。

嫌だぁ。巻き込まれる理由が俺にはなぁい。

なので、丁重なお断り文句で辞退の旨を伝えようと言葉を考えていると、その返答よりも早くギルド長は続けた。



「まあ聞け。お前さんにとっても損にはならん。ただ、3日後に新人向けのパーティー講習があるってだけだ」



「ほ?講習とな?」



何だか意外だったもんで、思わず聞き返してしもた。

え……でも、講習か。

それの存在もまあ意外と言えば意外だけども。俺の勝手なイメージだけど。

でも、この講習に参加させるってだけなら、そんな悪い顔をする必要ないじゃん?

何か別の狙いがあるのは分かる。けど、それとどう繋がるのかが、分からない。

胡散臭いなぁ……と考えてたら、奥から焦ったような足音が聞こえて来た。



「ちょっとギルド長!まだ話は終わってねえんすけど!?」



声を荒げながら出て来たのは、副長のおっちゃんだった。

慌てたご様子で。どしたん?話聞こか?

とでも言おうかと思ったのだけれど、副長のおっちゃんは脇目も振らずにギルド長の元へ一直線。

うん。だからどした?

訳も事情も分からない俺は取り残され。ふと、セリナとミリアの2人と目が合った。

2人も訳が分からないといった表情をしていた。ね、意味分かんないよね。なんだろーねこれ。

と、3人で首を傾げあってみる。


誰も答えは見つけられないまま、ギルド長と副長のおっちゃんはやいのやいのと話をし始めたのだった。

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