表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/33

楽しい猪狩り


てな訳で、俺達はガルドボア一家に突撃隣の晩御飯(牡丹狩り)をすることに。

セリナ曰く、数はそう多くなさそうだが、さてはて……。



「あ、ツバサ。無理は禁物だからね」



「あいよー」



「それから、苦戦しそうだったら撤退して応援を呼ぶのよ。いいわね?」



「おっけー。了解」



この後、もう二つのそれからを頂きました。んもぅ、心配性じゃなぁ。

そんなに私頼りな……頼りになる男って性格ではないか。自由人故、しゃーなし。


そう自らを顧みた所で、索敵開始。

超絶便利な感知魔法『広範囲ソナー』で5秒で終了。

森の入口付近に2頭の成体、5頭のお子様発見。

やっぱり御家族でした。



「逸れ猪。番に子が5頭」



「え、もう見つけたの?」



「おん。感知魔法でちょちょいのちょいでした」



「ああ……うん、そう……」



何故か微妙な顔をされた。謎。

首を捻ってたら、頭を押さえて溜め息ももらう。

え、そんな変なことしてないと思うんだけど。

これまでだったら、多少ふざけてた自覚はあるけど、今回に関してはマジでよく分からない。

流石に気になったので、聞いてみることに。



「どした」



「あ……いえ、ごめんなさい。ちょっと考えごとをしてて」



「ほう?悩みごと?」



「……ううん。そういうのじゃ、ないの」



と、悩める少女の表情で、緩く首を振るセリナさんであった。

何さ何さ、絶対に何かある顔じゃん。どしたの?心配ごとは早いとこ吐き出した方がすっきりするんだぜ?言ってごらんなさいってぇ。

てな感じに絡もうとしたら、セリナは不意に顔の前で手を叩いた。

直後ににこりと笑って、口を開く。



「うん、問題なし。その程度の数だったら、ツバサなら余裕で倒せるわ」



「おん?そう?……え、お悩みは?」



「ん?だからそういうのじゃないの。ほら、行きましょう?どっちに居るのかしら?」



妙に清々しい顔で、セリナは周囲を見渡し始めた。

あからさまに話題を逸らされた訳で。話すつもりはないらしい。

何だろ、信頼度が不足してるのかな?フラグが立っていないってことだろうか?

気にはなるけれど、しゃーなし。今回は聞かないでおいたろう。



「あっちの方」



俺は気持ちを切り替えて、反応があった方角を指で指し示した。

その後ろで。



「やっぱり、全然似てないのに……何故かしら」



と、セリナは呟いていた。

因みに、広範囲ソナーは、それっぽい使い方をしたいから作った魔法であって、実際は五感を広範囲に飛ばしているような魔法な訳。

つまり、今の呟き、がっつり聞こえてるんだけど、まあ、聞こえないふりしとこう。うん。


で、ガルドボアの根城に近付いたら、めっちゃ逃げられた。

……おぉ。そう言えば俺、森の魔物にめちゃくちゃ逃げられるんだった。

どうしてだろうね?

セリナに聞いてみたけれど、困惑されるばかりで、理由はついぞ闇の中。

機会があったら他の人にも聞いてみよう。覚えてたら、だけど。

それは兎も角として、また畑を荒らされたり、村人に被害が出てはいけないので、追いかける。自動車並みの速度で逃げられる。



『疾風迅雷』



なので、雷の如く動いてみた。実際は高速新幹線位の速さなんだけど。魔法の名前がそれっぽいから、雷の如く、で、合ってる。

追い付いた瞬間、泡吹いて気絶しちゃった。

……なんか、昨日の卍丸の時より酷い罪悪感が。

た、倒す?……いやいやいや、迷うなこれは依頼なんだ。こいつらは害獣だ。一回人間の食べ物の味を知ったら、一族郎党引き連れて死に物狂いで畑を荒らすって聞いたことがある。

ここでやらねば、村の人達が苦しむんじゃ。

すまぬ……。せめて無駄な殺生とならぬよう、素材とかお肉とかは最大限持って帰ろう。うん。牡丹肉って美味しいって聞いたことあるし。


覚悟を決めて小型ナイフで介錯。めっちゃ硬い。力を込めて、えいや。コレが命を奪う感覚か……良い気分ではないな。

もしかしたら、これが大人になるってことなのかもしれない。


と、感慨に浸ってた所。セリナが駆け寄って来た。



「手伝うわよ」



「んお、いいの?」



「コレだけの数だもの。早く終わらせないと、魔石になっちゃうわよ」



「んぇ?魔石?」



詳しく聞くと、魔物は絶命して暫くすると、魔石という、なんか色々使える石になってしまうらしい。

マジかよ。まるでファンタジーやないか。

チラリと最初にそいしたガルドボアの方を見ると、キラキラとした蛍の光みたいな粒子が漏れ出ていた。こらぁふぁんたじーだぁ……。



「え、どこ取ればいい?」



「成体は牙。幼体は……この大きさなら、牙で大丈夫よ」



「おっけー」



急いで回収開始。しかし、どっからどうすれば良いか、これが分からない。

まごまごしてたら消えちゃうらしいので、教えてセリナせんせー。

と思って、振り返る。



「あ」



「あ」



丁度その時、セリナがお子様の牙を間違えて半分に折っていた。

うんうん。そういうこともあるよね。仕方ない仕方ない。



「私だってガルドボアの解体は初めてなの!」



「まだ何も言ってないじゃん」



「顔が言ってたわよ!」



とまあ、酷く恥ずかしそうにしてました。顔真っ赤だったぜ。

うむ。微笑ましい。



「俺も解体は初めてだからさ。やり方おせーて」



「うぅ……分かったわ。次は失敗しないわよ」



「よろしゅー」



そんな感じで、セリナに教えてもらいながら、素材の採集をしましたとさ。

時間をかけ過ぎたせいで、最後の1頭は間に合わず、素材は手に入らなかったけど、綺麗に解体出来て喜ぶセリナが可愛らしかったので、セーフです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ