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竜族族長の娘  作者: 五月雨 アルト
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仲良く話しましょう

ルイ・リントヴルム視点です。

何時もよりちょっと長めです。





 今日は滞在中のハース王国からの客人、ゲイン皇子とカレン皇女が帰宅する日だ。この日は土産屋等を巡った後帰国の流れになるのだが、私には生憎族長としての仕事がまだ残って居るので、朝早くに起きて片付けてしまおうと執務室に来ていた。






 粗方今日の分が終り、ふと時計を見たらもう朝食の時間だった。そろそろお腹を空かしたレイミアが起きてイレーネと居間で待っている頃だろうか? 息子たちはもうとっくに起きているだろうが、レイミアはまだ睡眠が必要な年齢だからこの時間なら寝ていることが多い。





「(もしかしたらまだ寝ているかもしれないなな......)」





 仕事も終わったし、居間に向かう道すがらレイミアが居るか寝室を見ていこうと、私は執務室がある別館の廊下の角を曲がった。









~~~~~~






 寝室の近くまで歩いてきたのだが、なにやら寝室の方が騒がしい事に気がついた。レイミアはまだ幼いので私とイレーネと共に寝ているのだが、私とイレーネは先に起きて仕事をしていることが多い、だから今日もこの時間の寝室にはレイミアしか居ない筈なのだ。




「(何かあったのか?)」




 ここ最近問題行動(レイミアに絡む)ばかり起こしているカレン皇女の事が脳裏にチラ付き、私は不安に駆られて寝室の方へ走った。






 部屋の前に着いたとき、そこにレイミアは居らず、揉めている......と言うよりカレン皇女一人が興奮状態のようにも見えるが、兎に角騒ぎを起こしていたのは、私の四番目の息子であるアルフレットとカレン皇女だった。周りを見ると、どうやら私のようにイレーネや他の息子達に使用人と、多くの者が様子を見に集まって来ていた。



「ーー離しなさいよ!? レイミア様が死んでしまったらどうするのよ!? 私がレイミア様を助けなくちゃいけないのに!! ちょっと私を何処に連れていく気なの!? 放して!! 触らないて!! レイミア様!! レイミア様!!」





 助けるだの何だのと繰り返し言っており、カレン皇女はまるで何かに取りつかれているかのように、最後にはレイミアの名前を呼んでいた。何だかよくわからないが、カレン皇女は今話を聞ける状態ではなく、明らかにこのままでは周りに被害が及ぶ。そのため早々にご退場願った。




 カレン皇女がその場から消えると、扉の向こうからレイミアが出てきてアルに抱き付いていた。よく見れば肩が震えている。無理もない、あの様な狂気に宛てられたのだ。あぁ! なんて忌々しいのだろう。私のレイミアをあんなにも震えさせるなんて!! この場に居る者の多くがカレン皇女に殺意に似た怒りを抱いていた。皆の怒りを察したのだろうか? レイミアが急にアルから放れるとそれぞれの顔を見回し頭を下げた。







「みなさん、おさわがせしてしまってすみません。しんぱいしてくださりありがとーございます」



 その顔には申し訳無さと、弱冠の疲労が滲んでいた。



「ーー!!......そんな! レイミア様が謝ることではございません!! 今回は私のどうしようもない愚妹が引き起こしたこと。問い詰められる事はあれど、謝罪をなさる必要はございません!!」



 全くだ。正直今回の件で悪いが(思ってもない)カレン皇女にはこの里及び、レジェント地方への立ち入りを禁じさせてもらおう。私がそんなことを考えているとレイミアは驚くべき事を口にした。





「いいえ、もしかしたらわたしがもっとまわりをよくみていれば、けいかいしたり、たいさくをねったりと、できることががあったかもしれません。だからあまりきになさらないでください。こんかいはみすいですから」




「「(!!)」」




 その場に居る全ての者が驚きに一瞬思考が止まった。だってそうだろう? 今回の明らかな被害者で、況してや状況が理解できていなくても何ら不思議ではない年頃の女児が。自分にも非があったと、できることがあったかもしれないと、そう言ったのだ。賢いなんてものではない。やはり私の娘はとても特別な子のようだ。




「!!~~~......レイミア様の寛大な処置に感謝いたします」





 ゲイン皇子はレイミアの寛大な心に感動しているが、生憎私は自分の娘が恐怖に落とされて笑って許せるほど出来た竜人りゅうじんではない。カレン様の処置をきちんと話させてもらう。






「さて、どうやらお話はお済みのようですので食事にいたしましょう。あぁ、そうだ、食事後の軽い土産屋巡りの際に馬車の関係から私とゲイン皇子は同席になりますので御了承ください」


「勿論です。お話ししたいことも沢山ありますのでむしろこちらこらお願いしたいぐらいでしたよ」


「奇遇ですね。私もですよ」






 ゲイン皇子は最早カレン皇女を妹として庇うつもりは無いらしく、私の言葉の意味を理解して了承の言葉を出した。






 心優しいレイミアに心配させぬために、このあと馬車で行われる私とゲイン皇子の話し合いの事をレイミアに気付かせないために、イレーネや息子達が朝食の席に連れていく。





 「朝食後、2番目の馬車で先にお待ちしています」




 私はそれだけ伝えると、足早にレイミア達の後を追った。













*********************








 朝食が終わり、約束通り2番目の馬車で皇子の到着を待っていると、レイミア達が1番目の馬車に乗り込むのを見守った後、ゲイン皇子が馬車に乗り込んだ。





「お待たせしてしました」


「いや、気にするな。ーー学校ではアルフレットが世話になっているな」


「いえ、とんでも無いです。どちらかというと私の方が世話になってばかりなのですよ」


「あのアルフレットが世話なんて想像もつかないな」


「アルフレットにはよくガス抜きをしてもらっております」


「はははっそう言うことか」





 馬車が動き始めた頃私達はなんて事無い世間話をし始める。




「えぇ、その時によく御家族のお話を耳にします。レイミア様の話が圧倒的に多いですね。......今回の事、我が愚妹であるハース王国第一皇女 カレン・マルレーンがとんだ御無礼をしてしまい誠に申し訳ございませんでした。カレンには一足先に国へ帰るよう手配をしました、今頃役所へ向かっている最中でしょう」 



 世間話を早々に切り捨て、本題を話始めたのはゲイン皇子だった。どうやらもうレイミアと、カレン皇女を接触させないために早々にお帰り願ったらしい。




「そうか......カレン皇女には今後竜族の里、及び、レジェント地方への立ち入りを禁ずる事にした。今後カレン皇女の手紙なども他のものを通さぬ限り届くことは無くなる」


「勿論です。その他にも我が国でも今回の騒動を起こした愚妹には処罰を与える予定です」


「ほぅ、随分容赦が無いのだな。仮にも血の繋がった妹だろう」


「繋がっているのは半分ですがね。彼女知らないようですがね。それに今回の騒動には私も怒っておりますので」



 そう、公式では血の繋がった兄弟として発表されているものの、実はこの二人母親が違うのだ。

 父親は人魚の血を継いでいるハース王国現国王カルロ・マルレーンだが、母親が違う。ゲイン皇子はサーチアと言う名のエルフで、カレン皇女の母親はミランと言うなのエルフだ。



 二人ともエルフという種族が同じなため、今は特徴に誤魔化され、何とか隠せているが、カレン様の顔をよく見れば解る者には分かってしまうだろう。

 何せ、カレン皇女はカルロ様と髪色や瞳の色は同じでも、その他は全て母親であるミラン様にそっくりなのだ。無駄な争いを無くすため、カレン皇女をサーチア様の子供と言うことにし、ミランは別の場所で密かに暮らしているらしい。まぁ、元々ミラン様は政略結婚の側室で国を出たがっていたのでカレン皇女を差し出してさっさと出ていってしまったようだ。


 ゲイン皇子はその薄情な親子関係を余りよく思っていないようで、カレン皇女を実の妹のように想おうと思っていたようだが、カレン皇女の我儘に愛想を尽かしたらしい。






「ふっ今にも掴み掛からんばかりの目をしていたな」


「ルイ様は今にも殺してしまいそうな瞳をしておりましたね」


「御互い様だろう」


「えぇ、そうですね」




 私達は笑い会うと目的地まで雑談を続けた。









ブラックかな?


 最初ルイの出来た竜人ではない。のところを出来た人ではない。と書こうとしたけど人じゃない!って成ったので竜人にしたと言う。

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