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竜族族長の娘  作者: 五月雨 アルト
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カレン様VSレオン兄さん





「そこで何をしているんですか?」



 レオン兄さん来たぁぁぁあああ!!


 今の私には神様のように見えます。なんていうグットタイミング何でしょう。シチュエーション的には、悪に拐われそうになるヒロインを助けるヒーロー的な感じです。兎に角素晴らしいですありがとうございます。



 私が兄の素晴らしい登場タイミングにハイテンションに成っていると、カレン様とレオン兄さんの話は熱をあげていました。......勿論、悪い意味で。





「なぜ、カレン様が此処にいらっしゃるのですか? 貴女の部屋は反対方向の筈ですが、私の可愛い妹に何かご用ですか?」



「......あらレオン様、皆様とのお話はよろしいのですか?」




「カレン様、質問にお答えください。貴女はなぜ、此処に居るのです。どうやって、食堂から、先回りして、きたのですか」



 レオン兄さんが問い質すように、少し強めの言い方で話し掛ける。言われるまで気が付かなかったけれど、確かにカレン様の行動は不自然だ。明らかに私の方が居間を早くに出ているのに、カレン様の方が先に私の部屋に着いていた。そう言えば今まではスナイパーが居たから、上手くエンカウントを避けられていたけれど、まるでカレン様は、この家を全て把握しているかの様に私が行こうとしていた場所に先回りするかの様に待ち構えていた。




 考えれば考えるほど、背筋に薄ら寒い何かが走り抜けた。感覚としてはストーカー等にあったときみたいな物だろうか。


 私がそんな現実逃避紛いの思考で二人の会話をぼーっと見守っていると、カレン様が動き出した。




「ーーまぁ、恐いわぁ、私はただ道に迷って気が付いたら此処に着いただけですのに......そんなに攻めるように......」



 カレン様はそう言うと、両手を顔を被うように添えると、泣き真似のようなものをし始め、私の方に身を寄せる。するとどうだろう。レオン兄さんはこういっタイプの女性が好みではないのか、眉間に皺を寄せ、不機嫌そうな顔を隠そうともせず、私とカレン様との間に入り込み、距離を作ってくれました。






「迷う?もう3日はこの屋敷に居るのにですか? それならば貴女は随分物覚えが悪いのですね」


「ーー酷い! まだたったの3日よ? それなのにそんな言い方をするなんて......」


「3日も此処に滞在して、尚且つ左の道を真っ直ぐ行けば着く部屋の道すら覚えられないのなら。もう一度左右の見方から習い直す事をお勧め致します。」


「......あぁ! 左に行けばよかったのね! 私ったら間違えて右側に来てしまったみたい。だから知らない道だったのね!」



 カレン様はあくまでも偶然と言い張るようで白々しくそう言った。けれどレオン兄さんはそんな嘘を見抜けない人ではないし、見逃すこともしなかった。



「......なぜ知らない道と言いながら引き返そうとしなかったのですか? すぐに引き返せば元の道に戻れた筈ですよ? それに使用人も居た筈です。なぜ道を訪ねなかったのですか。それになぜ貴女は今単独行動をしているのです。御付きの方々はどうしたのですか?」



 カレン様の言葉にレオン兄さんはつらつらと一息にそう言った。私にはそれがまるでマシンガントークの様に聞こえました。

 ですが確かに、カレン様の御付きの人達や、家の使用人をどう撒いて来たのか気になります。家の使用人はカレン様が普段とおらない道(私や家族の寝室方面)に居たら部屋まで強制送還ぐらいはするはずです。なので、此処にカレン様がいらっしゃると言うのとは使用人の方々とは会っていないと言うことだろう。

 家の使用人さん達はこの時間には必ず、窓の戸締りや泥棒対策の見廻りなどをしているので、必ずエンカウントする筈です。実際に私も此処に来るまでに二人程会いました。




「......気が付いた時にはもう戻りかたもわからなかったわ。......私の従者には早々に食事を済ませるよう指示を出しました。ですので今頃食事の最中ですわ。使用人? そんな人見たかしら? 気が付かなかったわ。わたくし、今日はもう疲れたので部屋に戻りたいの、もう失礼させて頂きますね。あぁ、部屋までは使用人の方に案内をお願いしますので御送りは結構ですわ」




 カレン様は後半をやや早めに話終えると、早々にその場を立ち去った。カレン様VSレオン兄さんでの勝負はレオン兄さんの勝利のようだ。(特に勝負をしていたわけではないが......)




「......逃がしたか......レイミア、大丈夫ですか? 何か嫌な事を言ったりされたりしていませんか?」




 カレン様が立ち去ると何かをボソリと呟くと、レオン兄さんはくるりと私の方に振り返り私にそう聞いてきた。




「へーき。れおんにーさんがきてくれたから、だいじょーぶ。ありがとーございます」



 うん、もうタイミングから撃退法まで色々完璧でしたよ! レオン兄さんには感謝しかありませんよ。えぇ。




「そうですか、間に合ったようなら良かったです。」



 レオン兄さんにそう言うと、ほっとしたような顔で微笑む。どうやら心配を掛けてしまったようだ。此処はきちんとお礼を言わねばなりませんね。



「れおんにーさん。たすけてくれてありがとーございました。しんぱいかけて、ごめんなさい。いつもだいすきです」



 普段は恥ずかしいので言いませんが、シスコンで心配性な兄ですが、私は結構大好きです。普段は絶対言いませんがね。

 ですのでこう言う機会のある時に御礼として言わせていただきます。何時も困った時に私の事を助けてくれるのは、回りにいる私の家族たちですからね。





「ー~~!!......いいえ、いいえ......良いのですよ。私がしたくてしていることなのですから。私も、レイミアがだいすきですよ」




 そう言ったレオン兄さんは、幸せそうにハニカミながら私を抱き上げた。






 この時私は気が付いていなかった。夜中に兄や両親が集まって今後の事について会議をしていたことも、その場で私に大好きと言われたとレオン兄さんがそのことを自慢して、自分も言って貰おうと家族が自分のもとに押し寄せてくることも。言った後にますます過保護に成ることも。


 私は何も考えずに穏やかなときを満喫していた。










バイトに受かりました!!

そのため、今まで通り成るべく更新しますが更新時間がまちまちになったり、真夜中になることがあるかもしれませんが、御了承お願いします。

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