魔法がかかる前に
レイミア視点です。
「レイミア‼」
駆けつけてきたアシュリー兄さんとノア兄さんは私の手を掴んでいるお兄さんたちの手を叩き落とすと私をお兄さんたちから遠ざけた。アシュリー兄さんはお兄さんたちに背を向け、ノア兄さんはその逆でお兄さんたちと向かい合い何かを話している。
--きっと身内がいきなりすみませんとかそんな感じなのかな。アシュリー兄さんって落ち着いてるようでかなり過保護だし。シスコンだし。きっとノア兄さんはそんなアシュリー兄さんのしりぬぐいをしているんだろうな......ほろり
「レイミア、もうここでの用は終わったんだろう? 早く里に戻ろう」
「帰宅は明日じゃなかったの?」
「急遽帰宅が決まったんだ。大丈夫、後のことは僕やこの国の人たちが何とかしてくれるらしいから......そうだろう?グラーシア殿」
「ええ。もちろんですわ。この度の案件は上の者も動かざる負えませんもの」
え......この発明ってそんなにスケールの大きい企画だったんですか!? 確かに御トイレは人間の大事な生理的欲求ですが、国を挙げてまで進めるものだったなんて......ッハ‼ 国を挙げてこの企画を進めるって事はこのトイレ、自動車と同価値って事じゃないですか‼ なにその高級トイレ逆に使ってみたい......
「そうですか、では後にこの話がどうなったか教えてくださいね」
「......もちろんだよ。さあレイミア、僕はこれからこの方たちとお話があるから、レイミアはアリスと一緒に城で待っていてくれ」
「わかりました」
そういえばアリス君も居たんですよね。本当に何をしていたんでしょか? お城に着いたら聞いてみましょうかね。それにしてもここから二人で城までてくてく歩くことになるんでしょうかね。アリス君のようなショタプリンスが街を歩いたらそういうご趣味のお姉さま方に囲まれてしましそうですね。きっちりガードしなくては。
私が一人そういきり立っていると、アリス君が私に話しかけてきます。
「それじゃあ転送魔法でお城に連れて行くよ!」
「え」
「ん? どうしたの?」
そういいながら首を傾げるアリス君あざといです。っていやいやいやそうではなくて‼ え、アリス君魔法陣なしの長距離転送できるんですか!? この年でできるってかなりの天才なのでは......アリス君......恐ろしい子です。
私がそんな事を脳内で繰り広げ、アリス君の飛びぬけた才能に遠い目をしているとアリス君は尚も不思議そうに首を傾げながら私の顔を覗きこもうとしてきます。
「いや、アリス君はすごいなーって......」
「凄い? 僕レイミアちゃんの役に立つ? 」
「現在進行形でね」
「えへへ......じゃあこれからもレイミアちゃんと一緒にいるね」
「うん? うん」
はて、なにがどうしてそうなったのか全くの謎ですが、当の本人であるアリス君が嬉しそうなので放っておきましょう。子供とは時によくわからないことを言っては大人を困らせるものです。ここは否定せずうなずいておきましょう。きっとずっ友だよ! みたいなことでしょうし。
「それじゃあ行くよ!」
「うん」
「1、2の--」
「ちょっ待っ‼」
「! アリスく」
「3!」
アリス君が魔法を使う前に聞こえた私に延ばされた手のひらと呼びかけに、アリス君に待ったをかけようと声をかけた途端に使われた魔法。
あの声は一体............
100話突破!!




