未定 4
皆江の後悔と言い訳は隣に座る千香良にも聞こえていたが、聞いてやるにも限度がある。
そのお陰で星谷が話に加わってくるのも解るが……
村本に与える情報は選んで欲しかった。
千香良は自分のコミュニケーション能力の低さを呪う。
嫌味を機知で遣り返すことなど出来ない。
「それは、村本が長年現場に出ている職人が、どれだけ日焼けするか知らないから思うんだ。千田さんの奥さんなんか、鞣し革みたいでさ……気の毒だよ」
すると、以外にも皆江がフォロー。
千香良も千田の奥さんは知っている。
千田は一人親方で、奥さんが手元を担う。
奥さんの容貌など旦那が良しとしれば、それまでだ。
千香良は、二人三脚で仲睦まじくて、良いと思うが、龍太の審美眼でも、アレは気の毒……らしい。
「私だって、ICTの仕事で外に行くけど……」
「現場は長袖だろ。それに、ヘルメットを被っているんだ。今の日焼け止めは優秀だからケアをしていれば日焼けだって防げるさ」
男性陣には村本の物言いが意地悪く聞こえたようだ。
星谷も千香良を庇うような発言をしてくれる。
けれども、それは、それで一段と居心地が悪くなるような……
「ふ~ん。そうなんだ……」
納得したのか、しないのか……
村本は少し身を乗り出してテーブルに肩肘を着くと、今度は千香良を観察しだす。
「じゃあ、整形?」
整形?とも、よく言われる。
慣れてはいるが、嬉しくはない。
“そんなに、美人~”なんて言えたらいいのだが……
「おい!それ、って整っている、ってことだろうけど失礼だぞ」
「お待たせしました~先ずは、ネギマと、つくね、モモで~す」
グッドタイミング!
「お腹空いた……食べようよ」
千香良でも、このぐらいの機転なら効かせられる。
「よし、そうだな食おう」
皆江がネギマに手を伸ばす。
「大体、お前が変こと言うから、折角、相葉さんが来てくれたのに乾杯してないじゃん。よし、じゃあ、改めてお疲れ様でした」
「お疲れ……」
千香良は、村本からの、あからさまな悪意をどう乗り切ろうか、と思いながら、グラスを掲げた。
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