いざ、選定会
選定は宮殿で行われた。思っていた以上に人数が多い。
これじゃ、意識しなくても通行人Aだわね。
私は気が楽になった。
最初はティーパーティだった。
主賓はおらず、ただ円テーブルで選ばれた第二妃候補がお茶をするだけ。
みんな様子を探り探り恐る恐るお茶をすすっている。(音は出さない。流石だ。)
私は、最初は我慢していた。していたんだけど。
出されたお菓子を食べないってマナー違反じゃございません事?とか
適当な言い訳を思い描き、そっと焼き菓子に手を伸ばした。
お・い・し・い!
ああ、なんて美味しいの、食い意地が張っているくらいでは首と胴体はつながっているはず!
結局小一時間お茶をしただけで終わってしまった。
そして・・・次に呼ばれたときは人数が大幅に減っていた。え、私、残ったの?
次は大広間で皇太子様と謁見だった。
その次はもう少し狭い部屋でやはり皇太子様と謁見だった。
―遠いところに皇太子様が居て、私たちは大臣のお話を聞くというもの。
またその次はもっと狭い部屋で同じく皇太子様と謁見だった。
―やや遠いところに皇太子様が居て、私たちは宰相のお話を聞くというもの。
私は卒業式とか入学式を思い出して寝そうになってしまったよ。
そんな中でも私の違和感は部屋に比例してだんだん大きくなっていった。
次はようやくティールームでのお茶会だった。皇太子様が間近に!
そして皇太子様を囲む数名の候補者たち。(私を含む)
みんな最初の時と違って自分を売り込みまくる。
それをにこにこして聞いている皇太子様
そしては皇太子様はお茶会の途中、中座した。
私の違和感は最高潮になっていた。
皇太子様が退席した後、一人ひとり、面接官との面談となった。
面談はくじ引きだったんだけど、私が最後を引いてしまった。
最初の一人が面談に行きしばらくして次の候補が呼ばれた。
面談が終わったらここには帰ってこないのか。
ぼんやり、待ちながら違和感について考えていた。
中座する度、いや、そもそも部屋が変わる度に皇太子様の印象が変わるのだ。
なんていうか。見た目も何もかももちろん同じではあるのだけど。
雰囲気というか匂いというか、オーラというか、ほんの少しずつ違った気がしたのだ。
皇太子様は2回中座し、2回とも違った。何なのだろうか。
そうこうしている間に私の番になった。
もう第二妃とか首ちょんぱとかどうでもよくなったが、私自身がその違和感を突き止めたかった。
長い通路を歩き、どんどん奥に行くようだった。
どこで面談するんだろう。これって私室区域なのでは・・・。
豪華だった通路はいつの間にか落ち着いた雰囲気で照明も少し落とされた絨毯敷の廊下にでた。
「こちらでございます。お連れいたしました。」
入って、思いがけず若い男の声がした。
中に入ると、皇太子様がいた―。