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魔王が現れたから、勇者の子孫らしい俺がちょっくら倒してくる  作者: 堕天の翼のあさぼらけ
ユミコ奪還編~十二宮殿の戦い

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88/221

第88話 勇者だが断った。

 ちゃらららん、ちゃん、ぶるー、どりーっ(以下略)



「はあ、はあ、」

 ゴーレム達の画面が消え、俺も声が出せるようになった。

 くそ。俺の前後には、星座の数だけ敵がいる。そんな気分だぜ。


「何か聞きたい事がありそうだな。

 答えてやらなくもない。言ってみろ。」

 と言ってルギアは、残ったピザに手をつける。


 聞きたい事?

 前回、よく分からん用語が出てきたからな。

 神武七龍神。黄金曼荼羅陣ゴールドエクスクラメーション。そしてジャパニガルド。

 だけど、俺の聞きたい事はひとつだ。


「ユミコを返せよ。」


 ルギアは黙々とピザを食している。


「ここに十二時間以内にたどり着けば、ユミコは返してくれるんだろ。」

 そう、俺はそのために来た。

 ピザの代金を立て替える為でもない。ゴーレム達とのリモート会談を見る為でもない。

 俺はユミコを取り戻しに来たんだ。


「そうか。ユミコを返せ、か。」

 ピザを食し終えたルギアは、おててをおしぼりでふく。


「ああ。ユミコを返せ。

 俺には先々代の精霊神がどーしたとか、どうでもいい。」

 そこら辺の話しは、この作品がコミカライズされた時、本編そっちのけでやってくれるだろう。

 それこそ漫画担当の腕の見せ所だ。


「そうか。ならば聞こう。

 おまえ、ユミコの事どう思ってる?」

「なに?」

 なぜかルギアから、逆に質問される。


 ユミコをどう思ってるかだって?

 そりゃあ、好きか嫌いか言われたら、嫌いな訳ではない。

 だけどユミコの心は、タカスナにある。

 俺がどんなにユミコの事を好いても、その想いはユミコには届かない。

 だからユミコの事は、恋愛対象としては、見たくない。


「そんな事を聞いてるのでは、ないのだがな。」

「なに?」

 俺は心の中を読まれてしまい、赤面する。


「はあ。ユミコの使った神々の仮死の秘法。

 これは本来、文字通り、神々が使うもの。人が使うものではない。」

 赤面して言葉のつまる俺を無視して、ルギアは説明を続ける。

「本来、世界を一新した時とか、幾星霜の時を超えて甦るために、神が使うもの。

 人間の身体では、長くて三百年しか保たない。」


「なに、三百年だと?」

 ちょっと待てよ。ユミコは453年、使い続けてんだろ?

 計算が合わないぞ。


「だから今のユミコは本来の肉体ではなく、アバター体に魂を移して、なんとか生きている。」

「アバター体?」

「こんな事もあろうかと、用意しておいたのだろうな。

 ちなみにユミコの居たほこらは、この次元世界の物ではない。」

「な、何を言ってるんだ。」

 俺は思わず後ずさる。


 勇者ウラワは3つの世界を行き来したって、ケイさんが言ってたけれど。

 何か関係あるのか?


「つまり、ユミコの命は、あと1ヶ月と保たない。

 いや、無理をしたから、もっと短い。」

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