第83話 勇者オフモードのルギアと再会する
ちゃーちゃちゃちゃちゃちゃちゃーん。
この世に邪悪がはびこる時、必ずや現れると言う希望の闘士、勇者が現代のサーイターマルドに甦った。
精霊ルギアの怒りに触れたユミコを救うため、十二時間以内に十二の宮殿を突破しなければならない。
急げ、ユミコの勇者たちよ。
十二の宮殿を突破して、ユミコのいる精霊ルギアの神殿を前にする俺。
十二時間の猶予があったが、多分十二分もかかっていない。
これも第一の宮殿の黄金の騎士と、シリウスシスターズの四人のおかげだ。
俺はふと後ろを振り返る。
山の峰伝いに、十二の宮殿が連なっているのだが、なんと、一番遠くにある宮殿から、光りの柱が立ち昇っている!
その光りが消えると、宮殿が崩れていく。
あそこには、俺を送り出したシリウスシスターズと黄金の騎士が居るはずだ。
その五人の危険が気になる。
しかし俺は、その第一の宮殿に背を向ける。
そうだ、俺は託されたんだ。
この先に進む事を。
ここから第一の宮殿に戻っても、誰も喜ばない。
今の俺がやるべき事は、先に進む事だ。
「すまない、みんな。」
俺はそのひと言だけを残して、目の前の神殿に飛び込んだ。
無駄にだだっ広い神殿。
外からの見た目に反して、中は無駄にだだっ広い。
空間と言うか、次元と言うか、やっぱ何かが違うのだろうか。
多分二十分くらい歩いたと思う。
目の前にふすまっぽい扉が現れる。
遠くから見た時、なんでこんな所にふすまがあるのだろう、何かの見間違いかな、と思った。
近づけば何か分かるかな、と。
でも近くで見ても、普通にふすまだった。
なんで神殿内にふすまがあるのかは、分からない。
とりあえず開けてみる。
中は、普通の八畳間。
部屋の真ん中に、こたつがあった。
ちょうど奥の方に、誰かが寝そべって入っている。
「あのー、すいません。」
俺は声をかけてみる。
「もう、だぁれぇ?
勝手に入ってくるのは。」
こたつの主は、のそりとこちらを振り返る。
普通に綺麗なお姉さんだった。
お姉さんはスマホをいじってた最中だったみたい。
「あ、」
俺を見て綺麗なお姉さんは、なんかヤバげに表情を変える。
「誰かと思ったら、ユウタではないか。」
綺麗なお姉さんは、凛とした声質に変える。
最初の声とは違うが、この声には聞き覚えがある。
だけど、誰だっけ?
「たくう、来るのが早すぎるぞ。十二時間も猶予を与えたのに、なんで一時間もかからずに来るのかな。」
「あ、ルギア様?」
そう、この声は間違いなく精霊ルギアだ。
だけど俺の知ってるルギアは、女神様だ。
今目の前に居るのは、普通に綺麗なお姉さんだ。
「ちょっと準備するから、待っててもらえるかな。」
と言って綺麗なお姉さんは、俺を部屋から追い出した。




