第49話 勇者鍵屋を探す
サカドの街に着いて、すぐさま宿屋に直行した、俺とユミコ。
マジックパワーを回復させて、街の探索に取りかかる。
「夕べはお楽しみでしたね。」
宿屋を去る時、宿屋の親父がこんなことをのたまった。
はあ?お楽しみ?
何を楽しむの、ねえ?
おまえの宿屋、そんなにサービス良かったか?
俺は小一時間ばかし問い詰めたい気持ちになったが、やめといた。
こんな卑下た親父のツラは、あまり見たくない。
朝から嫌な気分になりながら、俺はサカドの街を探索する。
ユミコは気になる事があると言って、別行動をとる。
「サカド攻防戦は、姉妹都市ナンギョショウからの援軍が、あと少し遅かったら、負けてました。」
「ムサシの街は、魔物に攻め滅ぼされたらしい。」
「城塞都市チチブは、無事かしら。」
「勇者ウラワは、北西の岬から魔王の住む島へと、虹の橋をかけたそうです。」
「この街に魔法の鍵が売ってるって聞いたが、どこにも売ってないじゃんか。」
「魔王の島へ渡る方法は、永遠に失われてしまった。」
「あのシリウスシスターズに、追加メンバーが加入するらしいぞ。」
「ローザ姫はまだ生きてるのかしら。」
そいやあ、鍵屋は見当たらないな。
武器屋と道具屋はあった。
武器屋の品揃えは、以下の通り。
鉄の斧 500円
鋼の剣 1200円
鉄の鎧 1000円
鋼の鎧 1800円
魔法の鎧 7500円
鉄の盾 850円
魔法の鎧?なんかクソたけーのが混じってんな。
今の俺の所持金は、2314円。
ここは鋼の剣を買うべきだろう。
鎧はどうしよう。
魔法の鎧まで金を貯めるか、その前に鋼の鎧を買うべきか。
とりあえず俺は、鋼の剣を購入。
今持ってる鉄の斧は、250円で引き取ってくれた。
道具屋の品揃えは、イワツキの村と同じだった。
やくそう 8円
たいまつ 5円
せいすい 100円
転移の翼 120円
この転移の翼も、帰還呪文を覚えた今、不要とも言える。
しかし、魔法の鍵はどこで売ってんだ。
この街で売ってると聞いたのだが。
ユミコなら何か知ってるかもだが、今は別行動中。
俺がなんとかするしかない。
俺は街中の建物を、くまなく洗ってみる。
どこにも鍵屋は無かったが、怪しい建物の目星はついた。
この街の北西地区は、お堀で区切られていた。
その区画にふたつの建物があるのだが、おそらく鍵屋はそこだろう。
問題は、どうやってそこに行くかだ。
まあ、お堀と言っても深くはないし、水も汚くない。
俺はお堀に飛び降りた。
水深は膝上くらいしかなかった。
そして三メートルくらいのお堀の石垣を、よじ登る。
で、この区画に入って、初めて気がついた。
建物の影になってて気づかなかったが、北側の城壁の一部が欠けていた。
街を取り囲む城壁を北へ回れば、入れたのである。




