第34話 勇者撃たれる
ユミコ争奪戦も、よく分からん戦いになってきた。
ふたりの美女に抑えつけられてた俺は、何とか抜け出した。
闘武場を転げる俺を、青髪女と金髪女が、剣を振り回して追いかけてくる。
俺は先頭の青髪女めがけて、足払い一閃。
「おっと。」
青髪女はバックステップでかわす。
「残念ね、同じ手は通じないわよ。」
と、金髪女の攻撃もとまる。
俺としては、攻撃がやんでくれただけでも、ありがたい。
見ると、ふたりの後方で銀髪女と赤髪女が、涙目で身体をかきむしってる。
赤髪女は後頭部を、銀髪女は胸の谷間を。
どっちも、俺の身体の一部が当たってた箇所だ。
「よくもやってくれたわね、ふたりの仇はとらせてもらうわ。」
金髪女が、キリっと俺をにらむ。
どうやら向こうのふたりは、戦線離脱と見ていいみたい。
あとは、このふたりを負かせば、俺の勝ちか。
と思いながら、俺は立ち上がる。
その時、俺の股間に痛みが走る!
俺は右手で股間を抑え、前屈みになる。
赤髪女のしつっこい攻撃で、俺の股間にダメージが蓄積されてたらしい。
体勢を変える事で、そのダメージが一気にきた感じだ。
いきなり股間を抑える俺を見て、相手のふたりはたじろぐ。
「おおっと、勇者ユウタ、いきなり股間を抑えたぞ。これは一体どうした事かぁ。
解説のクマガイさん、これはどう言う事でしょう。」
「そうですね、今度はどうやって凌辱しようかと思ってたら、股間が膨らんできたのでは、と思われます。」
「な、なんと、まだ凌辱したりないのか、鬼畜すぎるぞ、勇者ユウタぁ!」
なんかユミコが、実況と解説のひとりふた役で、遊んでやがる。
こっちは股間が痛いだけだってのに、何言ってんだよ。
さっきまで静まりかえってた観客も、野次りだしてきたし。
俺、勝っても負けても、この村にはもう、居られねーんじゃないの?
なんか、対戦相手のふたりも、ドン引きしてるし。
まいったね、こりゃ。
「くそ、ふたりの仇はとらせてもらう!」
と言って青髪女は、俺に銃を向ける。
「え?」
どっから取り出したの、そんなもん。
「近寄らせなければ、あんたの思い通りになんか、ならないわよ!」
金髪女の剣が、銃に変わる。
ちょっと待ておまえら、世界観無茶苦茶だぞ!
ピッツオーン!
いきなり金髪女が発砲!
「わ、危ねえ!」
俺は咄嗟に鉄の盾で受ける!
どうやら相手の銃は光線銃らしく、発砲される光線も、見切れるくらいの速度だった。
でもこれ、俺が避けたら、どうなるんだ?
後ろの観客が死ぬんじゃないの?
ピッツオーン!
ピッツオーン!
ピッツオーン!
ピッツオーン!
く、俺の不安もお構いなく、連発してきやがる!
なんとか鉄の盾で防いでるが、片手で股間を抑えながらだと、心もとない。
いつか観客に被害者でるぞ。
くそ、どうしたらいいんだ!




