第31話 勇者ふかふかキンタ枕する
イワツキの村にて、ユミコを仲間にするための戦いが始まった。
俺の前に立ちはだかる、四人の女性勇者達。
彼女たちは、どこか別の物語から、迷い込んできた感じの四人組だった。
「それでは、第一試合、始めてください!」
ユミコの合図で、戦闘が始まる。
四人の女性は、右手に40センチくらいのクダ状の何かを握る。
「はあ!」
ブン…!
彼女たちが気合いを込めると、クダから刀身が伸びる。
な、なんだこのビームサーベルだかライトセイバーだかは。
世界観ガン無視だぞ。
「油断大敵だぜ。」
赤髪の女性が、音もなく近づき、その独特の剣を振り下ろす。
カキン。
その剣を、鉄の盾で受け止める。
よかった、鉄の盾は無事だ。斬れてない。
赤髪の女性は、再び剣を振り上げる。
同時に左右から、青髪と金髪の女性も突っ込んでくる。
「ちょ、ちょっと待て!」
俺はみっともなくも、狼狽してしまう。
一度攻撃したら、定位置に戻る。
それがこの世界の戦闘ルール。
なのにこいつら、それを無視してやがる。
つか、今の俺も、なぜかそのルールに縛られていない。
俺は左手で赤髪の剣を持つ右手首を抑えると、右手を赤髪の肩に置き、自分の身体を浮かす。
そのまま脚を左右に開くと、左右の脚が青髪と金髪の女性の顔面に、カウンターではいる。
「く。」
たまらずふたりはダウン。
「おおっと、勇者ユウタ、女性の顔面を蹴る、非情な攻撃ぃ!」
なぜかユミコが、ノリノリで実況してやがる。
「貴様、よくも!」
身体を宙に浮かせ、大股開いたままの俺の背後から、銀髪の女性が斬りかかる。
俺は前方宙返りしながら、赤髪の女性の背後に着地。
「おっと。」
標的の俺がいなくなり、銀髪の女性は攻撃を中断。
俺はそのまましゃがみ込み、赤髪の背後から足払いをくらわす。
仰向けに、後ろへと倒れる赤髪の女性を、素早くキャッチ。
そのまま脚で首をしめる。
プロレスで言う、首4の字ってヤツだ。
「おっと、動くなよ。」
俺は赤髪の女性の首もとに鉄の斧を近づけて、他の三人の女性を牽制する。
多勢に無勢。
ここは確実にひとり絞め落とした方がいい。
赤髪の女性はもがくが、その分首が絞まるだけだ。
「ああっと、ここで勇者ユウタの、ふかふかキンタ枕だぁ!」
「え?」
ユミコのよく分からん実況に、闘武場にいる全員の動きが止まる。
「ふ、ふかふかしてないぞ、なんか、硬い。」
赤髪の女性は、恐る恐る言ってくる。
そりゃあ、あれだけ激しく刺激してくれれば、俺の股間も硬くなって当然だ。
「ひっ。」
闘武場の他の女性たちが、一斉に怯えだす。
いやこれ、不可抗力だから!
俺にそんな気無いからね!




