第30話 勇者対戦相手に困惑
ユミコを仲間にするのに、なぜかユミコ争奪戦に勝たなければいけなくなった。
なんか知らんが、面倒な事になった。
イワツキの村の中央広場に、特設会場が設けられた。
普段はお祭りなどの会場に、使ってるらしい。
ユミコ争奪戦に参加するのは、結局、俺を含めて4組だけだった。
魔王を倒したいと言う、ユミコの願いに沿えるのは、それだけしかいなかったみたいだ。
このイワツキの村で療養する勇者達のほとんどは、魔王討伐を諦めたヤツらだった。
「みんなー、私をパーティに加えたいかー。」
「おー。」
ユミコの掛け声に、参加者一同、盛り上がる。
俺も、なんでこんな事しなくちゃいかんのか、よく分からん。
結局ユミコの銀の笛は、この争奪戦を勝ったら、聞かせてくれるとの事だった。
「それじゃあ早速一回戦、始めるよー。」
「わー。」
会場からは、われんばかりの大歓声。
全く、どこから聞きつけたのか、凄い観客だ。
「まずは、勇者ユウタぁ!」
ユミコにコールされ、俺は会場に設置された闘武場に上がる。
この広場には、10メートル四方の闘武場が設けられていた。
「お次は、勇者マインと仲間達ー!」
そのコールで、長い銀髪の女性を先頭に、4人の女性が闘武場に上がる。
「きゃー、マイン様ー。」
「ユア様ー、こっち向いてー。」
なぜか黄色い声援が上がる。
銀髪女性の他は、金髪ツインテール、赤髪ポニーテール、青髪ショートヘアといった面々。
彼女たちで、何か専用の物語が作れそうだ。
俺の物語が終わった後、この人らでスピンオフ作品作れるんじゃないか?
まあ、こっちはひとりなのに、あっちは4人か。
勝てるのか、これ。
「ふ、運が無かったな、おまえ。」
勝負開始前のひと時、長い銀髪の女性が話しかけてくる。
「ひとりの美しい女性の運命がかかってんだ。悪く思うなよ。」
と銀髪の女性は俺をにらむ。
「別にいいさ、あんた達が魔王を倒してくれるならな。」
と俺はあえて、お姉さんの話しに合わせてみる。
俺の言葉になぜか銀髪の女性は、キョトンとしている。
ん?
俺何か、変な事言いました?
「ふん、愛しのハニーの前だからって、心にもない事言ってんじゃないわよ!」
と、金髪ツインテールの女性がしゃしゃり出てくる。
何言ってんだ、こいつ。
今度は俺が、キョトンとしてしまう。
「あれれぇ、その反応。
ひょっとして君、本気で魔王を倒す気でいるの?」
今度は、青髪ショートヘアの女性が素っ頓狂な声をあげる。
何言ってんだ、こいつ。
この作品は、そう言った物語だろ。
「そんなはずないだろ。
ここに居る男はみな、あの女性目当てなのには、かわりない。
たく、けがらわしい!」
と、赤髪ポニーテールの女性が吐き捨てる。
「おい、何言ってんだ、おまえら。」
あまりの話しの噛み合わなさに、俺も反論せずにはいられない。
こいつら何か、はき違えていないか。
そんな俺の戸惑いをよそに、俺達の対戦が始まった。




