第218話 勇者お礼を言われる
魔王を倒して、早数話。
オオミヤ城に帰還する俺の前に、魔王の仇打ちとばかりに、オオミヤ城の門番の兵士が立ちはだかる。
こいつは、魔王軍の内通者だった!
「ちょ、ちょっと待ってくださいよ!」
俺の殺気を察知し、兵士は慌てる。
「私はただ、あなたにお礼を言いたいだけですよ。魔王を倒してくれて、ありがとうって。」
「話しが見えないな。」
ともかく俺は、剣を収める。
「私は家族を人質にとられ、魔王軍に協力してました。その魔王軍から解放してくれた事を、お礼させてください。こんな話し、オオミヤ城では出来ませんから。」
「なるほど。」
俺はようやく、兵士の言う事を察する。
いくら事情があったとはいえ、オオミヤ城でこんな話しは出来ないな。
「で、これからあんたは、どうするんだ?」
わざわざオオミヤ城から離れたのは、お礼だけが目的ではないだろう。
おそらく、ここから逃亡もセットのはず。
「ええ、しばらく魔界に身を寄せるつもりです。」
「魔界?」
これまた物騒な単語が出てきたな。
「あ、勇者様はこのサーイターマルドが、幾つかの階層次元が重なって存在してる事を、ご存知ですか。魔界はその階層次元のひとつです。」
「ああ、知ってる。」
確か、魔王もそんな事言ってたな。
しかし魔界か。魔王を倒しても、脅威は去らないのか。
「それなら勇者様も、いつか魔界にいらしてください。きっと歓迎されますよ。」
「何?」
魔界で歓迎とは、手荒い歓迎って事だろうか。
「魔王が心変わりするまで、魔族も平和に暮らしてましたから。勇者様が魔王を倒してくれて、みんな大喜びですよ。」
あ、そういや、魔王軍六魔将の影の騎士がそそのかした、って言ってたな。誰が言ったのかは、覚えてないけど。
「そうだな、前向きに善処するよ。」
俺はとりあえず、あいまいに答えておく。
「ええ、平和になったこの世界。勇者様もご自身の身の振り方を、よくお考えください。」
と言って、兵士はオオミヤ城の碑石を渡してくる。
「う、」
この碑石、見かけよりも重い。
俺に勇者としてのチカラが無ければ、普通に持てないぞ。
これを普通に持ってた兵士は、やはり魔族って事だろうか。
「それでは勇者様。私はこれで魔界に帰ります。魔王を倒してくれて、本当にありがとうございました。勇者様もいつか、魔界にいらして下さい。」
兵士は上空に、何かを投げる。
同時に、兵士の姿が消える。
アレは、転移の翼みたいなアイテムだろうか。
そのタグいのアイテム無しに、どうやって魔界に行けばいいのだろう。
とりあえず今は、オオミヤ城に戻ろう。
このクソ重い碑石を持って。
ども(・ω・)ノ
原案では魔王を倒した後、魔王のペットと戦う予定でした。
でも魔王を倒した後、妖精さん登場でグダってしまい、カットされちゃいました。
(´・ω・)




