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72話  第7艦隊に会ってみたらこんなのかよ

 見つけてくれてありがとうございます


 Twitterから来てくれた皆さん、ようこそお越しくださいました

 ブラジルの支援を終えた笹本達はウクライナ国のオデーサの街に来ていた。ここは新設にして前回の戦役では研修期間でありながら支援にも来ていたオデーサ第7艦隊の研修センターが置かれた街である。

 笹本は参謀全員と自分が選んだ分隊指揮官。大葉雄哉、小鳥遊高尾、アリーナ・ガイスト。既に分隊指揮官をしたことが有る小島鼎。

 それでも足らないと言われて仕方なく各務原若葉にウルシュラまでオマケで付けてやって来たのだ。

 いつものようにテレポーターでやって来た後に笹本は気がついた。


「あ。僕パスポート持ってないや」

 それに皮肉を言うのはいつものエチエンヌだ。

「あなた知らなかったの?国家連邦政府の肩章(エポレット)が今のあなたのパスポートなのよ」

「いつかも私の家に来た時もお咎めは無かったろう?そう言う事さ」

「へー。便利だなぁ国家連邦政府(こくれん)さん」

「頭の悪そうな発言はお止めなさい」

 エチエンヌの切り返しに何となく皆が笑いだした。


「で?何しに来たんだっけ?」

 笹本がみんなに確認するように聞いた。

「はい。第7艦隊の参謀陣を鍛えて欲しいと聞いています」

 各務原が事務的に答える。

「鍛えるって言っても僕たちも向こうさんも軍事経験者なんて居ませんよね」

 小鳥遊が言ってみると、隣にいた大場雄哉が返した。

 「だからこそ第6(うち)なんじゃないですか?同じ民間出身者同士で気兼ね無くやれそうです」


「ユーヤ君、多分そんなんじゃないよ」

 それに答えたのは何かと事情通なウルシュラだった。

「実際どんな感じなんだい?」

 堪らず笹本が聞いてみてもウルシュラは答えない。

「私がぶん殴ってやりたいんだよね」


 ウルシュラは乾いた声で返した。連れて来なければ良かったと笹本はチラリと思った。


 現地の教官の出迎えを受け、シミュレータールームに向かうと、そこに第7艦隊の首脳陣がいた。

「ああ。あなたが噂のペテン師さんですね」

 白人の参謀長が手を差し出す。仕方なく笹本も手を伸ばした。

「味方からまで言われると堪えますね」


 第7艦隊の首脳陣はどの人も各国の名の有る大学卒業者で構成されていて、駅弁大学卒の笹本は軽く怖じ気付いたが、小鳥遊もアリーナも雄哉も気にもかけてない風だったので、笹本もそのように装った。


「あれが殲滅女王?女王なのはボリュームだけね」

「サムライキッズ。ホントにお子ちゃまじゃないか」

「高校中退?あんた本気でこれが首脳陣なのかよ」


 第7艦隊からの評価は非常に悪い。何だか公国の捕虜収容所に来たみたいな感覚だ。

「あの……」

 思わず笹本が教官に向き直る。

「一事が万事この調子なんですよ。ちょっと懲らしめてください。なに。怪我が無いなら何をしても」


 何故かまだ戦いに出た事も無いのに居丈高な首脳陣を、要するにシミュレーターかなんかでコテンパンにしろと言う事か。嫌な話だ。

 

 チクチク刺す行為はまだ続いている。

「だいたいこんな戦争いつまでやる気ですかね。直接首都を落とせば楽勝じゃないか」

 第7艦隊の参謀長が言い放ったのを皮切りに流れが代わり始める。

「それは凄いな。戦ってない兵士は士気が高いを地で行く名言だね」


 笹本は割りと言われ慣れている。エチエンヌが辛口なのも有るが、よく慰問させられているからだ。行けば何か悪口は言われる。


 しかし比較的によく頑張ってくれる指揮官の悪口なんて酷いじゃないか。しかし笹本がハラを立てるより先にウルシュラがキレた。


「はあ?君たち大概にしないと私が酷い目に合わせるよ」

 第7艦隊の面々もウルシュラの情報網は恐ろしいと見えてここで黙った。

「ところで何ですって?直接首都を落としますか?そんな事考えたのはどなた?」

「私です」

 眼鏡をかけたきざったらしい男が答えた。新参謀長である。

「出来るかどうか試してみませんか?シミュレーターなら有りますでしょう?」

「ええ。やりましょうさ。世界がいかにペテン師に騙されているのか見せつけてやります」

「そちらは10人ですか。10艦隊出しますか?」

 笹本が聞いてみれば答えが帰ってきた。

「ええ。この第7艦隊の首脳陣は今すぐでも提督が出来ますとも」

 

 笹本は白けた顔で答えた。

「そう。ならうちは5艦隊で良いや」

 笹本は連れてきた面々に向かい、配置を告げる。

「サントス。司令長官を頼む。第1艦隊を使ってください。小鳥遊君が第2艦隊提督を。叢雲さんが参謀をしてください。第3艦隊はアリーナ。エチエンヌさんが参謀をして下さい。第4艦隊は他に居ないだろ?小島さんだ。雄哉君が補佐官をお願いします。第5艦隊は後備。各務原さんが提督、ウルシュラが補佐官を頼むよ」


 各員がそのように集まり、艦船の入れ換えや別室にての作戦会議が始まる。戦場は相変わらず3パーセク四方に有るのはお互いの指令部だけで、これを守りながら相手の指令部を陥落させるフラッグ戦だ。


 笹本達はブリーフィングルームで作戦を伝える。

「あの人達は多分まっすぐ指令部を狙ってほぼ一列でかかって来るよ。そこでです」

 笹本が各員にしっかり行動すべき事を一人一人にかみ砕いて説明する。尤もここにいるのは笹本とは阿吽の呼吸の仲間たちだ。コミュ障っぽい奴もバイク泥棒もマッドエンジニアもゲイの噂のある奴もヤンデレもいるが、笹本だって極度の歴史オタクでその国の人が知らない歴史の話を沢山知っているのだ。おかしな奴の一人なのだ。本来かみ砕いて説明する必要なんかどこにもない。

「さあ、我が年下に過ぎる友人たちよ。お前たちを小馬鹿にした『敵』を仕留め倒してやろうじゃないか」

 

 第6艦隊の皆は本当にノリがいい。多くの首脳陣が拳をあげてオーと歓声を上げる。それに準じないのはエチエンヌと各務原だけだ。

「全く第6艦隊(ここ)はノリだけは良いんだから」

「シミュレーターの成績……良くないのですが」

 

 各務原の呟きにサントスが応える。

「ワカバは僕の後ろに居て。僕が守るから」

「やだサントスさんイケメン過ぎ」

(おとこ)ですねサントス参謀さん」

「見直したよ。カッコいいよ!なかなかそんなセリフ言えないよ」

 

 みんなが一斉にサントスをダシに盛り上がる中、エチエンヌは頭を抱えて独り呟いた。

「訂正するわ。ノリが良いんじゃない。バカばっかりなんだわ」

 読んでくれてありがとうございます

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 犢端高校勇者部活動記録   https://ncode.syosetu.com/n0115ie/


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 なども書いております。宜しかったら見て行ってください


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