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10. ゴミ共、登場!


「そろそろいいかな」

 30分ほど歩いたところで大悟は、異空間収納からバイクを取りだした。


 ブウォン、ブウォン、ブウォォォォーン!

 バイクをかっ飛ばし、30分ほどで拠点に到着する。


「あら、お帰り大悟。早かったわね」

 バイクの音に気付いたティーノが、大悟を出迎える。


「ただいま、ティーノ。

 でも1時間ほど休んだらまた出掛けるよ。ちょっと予想より長くかかりそうだから食料の補充に来たんだ」


「そうなんだ、お茶飲む?」


「あぁーうん、貰おうかな。

 あ! それと、もしかしたら仲間が増えるかも知れないから、部屋数多めに作っといてってドワーフ達に言っといて貰える?」


「了解よ」

 そう返事をし、ティーノは家の中に入っていった。


 ティーノが入れてくれたお茶を飲み、1時間程みんなと談笑した大悟は再びバイクに跨り、美香達のいる家へと出発した。


 30分程で都内に入った大悟はバイクをしまい、MAPで確認しながら徒歩で美香達の元に向かっていた。

 すると突然、MAPに10人以上の生命反応が現れ、その反応は全て美香達の家に集まっていた。


「……やな予感がする」

 大悟は急いで美香達の元へ向かった。


 家の前まで来ると塀の前で駄弁っている集団を見つけた。

 大悟はバレないように隠れる。

 ヤツらは全員革ジャンを着ており、手には金属バット、ナイフ、木刀を持っていた。


 友好的には見えんな。

 美香達は大丈夫だろうか? とりあえずドローンを飛ばして確認を。


 大悟は錬金術で小型ドローンを作り出し、家に向かって飛ばした。

 このドローンは直径10cmくらいの球型で、魔力をエネルギーとして飛んでいる。


 大悟はドローンを使って家の中を覗き見る。

 中には、美香と知らない男が対面してソファーに座っていた。



「何のよう?」

 腕を組み、男を睨みつける美香。

 隅っこで抱き合って震えている由紀と美沙。


「何のようはないだろ。お前達がやったことの落とし前をつけに来ただけだ」


「アレはアイツがいけないんじゃない! 私達はタダ身を守っただけ」


「そんなことは関係ない。

 お前達は俺の仲間を傷つけた。その償いをしてもらう」

 そう言うと男は立ち上がった。


「な、何をするつもり?」

 美香も立ち上がり、身構える。


「なぁーに安心しろ。お前達には今日から俺達の奴隷になって貰うだけだ。ちゃんと首輪をつけて可愛がってやるな。ぐへへへへ」

 男は袋から縄を取り出した。


「痛い思いをしたくなければ抵抗するな」

 歩み寄る男。

 後退りする美香。


 男が美香に触れようとしたその瞬間、男の太腿に激痛が走った。


「い、いでぇぇぇー!」

 男は、太腿に目をやった。

 太腿からは刃先が飛び出していた。

 後ろからナイフで刺された事を男は、直様認識した。


「だ、誰だ?」

 男は鬼の形相で後ろを振り向いた。

 が、振り向いた瞬間男の額に銃口が突きつけられた。


「どうも」

 そこにいたのは当然大悟。


「な、なんだテメェーは? そ、そ、そ、外の奴らはどうした?」


「外の奴ら? 全員腹抱えて寝てるよ。

 そんなことより頭を撃ち抜かれるか、大人しく帰るか選べよ」


「て、てめぇーこんなことしてタダで済むと思ってんのか?」


「テンプレコメントはいいから、早く選べ。撃つぞ」

 指先に力を入れる。


「ちょ、ちょっと待て! わ、分かった帰るよ」


 男は銃口を突き付けられたまま、押し出される形で外に放り出された。


「いいか! 30秒やる。

 30秒経っても俺の視界にお前らが写っていたら容赦無く頭を撃ち抜く。いいな?」


「え? ちょ」


「いーち、にーい、さーん」

 問答無用で大悟はカウントを始めた。


 男は慌てて倒れている奴らを叩き起こし、全員でその場から立ち去っていった。


「遠慮せずに撃ち殺しちゃえば良かったのに」

 後ろにいた美香がそう呟いた。


「え、いやでも、妹さん達が見てる場で殺すのは」


「問題ないわよ。

 こんな世界よ、人が死ぬところも殺すところも何百回と見てきたわ」


 あらまぁー。

 それなら殺しときゃよかった。


「ところで奴らの仲間に何かしたみたいだけど、何かしたの?」


「殺したのよ」

 美香は躊躇する事なく答えた。


「殺した?」


「こっちに着いた時、食料が底をついててね。もう何日も食べてない状態だったの。

 その時にアイツの仲間に『仲間になるなら食料をやる』って声をかけられたのよ。

 ヤバイ感じはあったんだけど、ギリギリの状態だったし、妹達も限界を超えてたからその話に乗るしかなかったの。

 そしたら案の定、襲われたわ」


「その時に?」


「えぇ、必死だった。

 この子達を守らなきゃって、腰に隠しておいたナイフを取り出してソイツの首に刺したのよ。その後は必死で逃げたわ。無我夢中でね」


 なるほど! そりゃー仕方ないか。


「分かった。次会ったら殺しとく」


「お願いね」

 

 ここまで生きてきたのは伊達じゃないな、危ない橋もいっぱい渡ったんだろう。


「ん? そう言えば私達がアイツの仲間に何かしたってどうして知ってるの? ずっと前から部屋にいたの?」


「あぁー、うぅーん」


「言いたくなければ無理には聞かないけど?」


「いや、戻ってきたら言うつもりだったから」

 大悟は自分の正体を話す決断をしていた。




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