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大自然の脅威

作者: 織田津茂童

《対抗》


 ━━夏の夜。川辺は打ち上げ花火を見ようと集まった人でごった返していた。

 ━━ド━━ン。パラパラパラ……。

「たーまやーっ」

「キレイだねー、おかあさん!」

「そうね、夏と言ったらこれよねぇ」

 夢中で夜空を見上げる人々の背後では━━。

『なんでえなんでえあんなモノ!よし、見てろよ!』


『━━次のニュースです。昨夜○○川で開催されていた花火大会の最中に突如近くの亜穂山が噴火するという現象が起こり、辺りは騒然となりました』


《川下り》


「う~~ん、困ったねぇ」

「そうですね。いったいこれはどうしたんでしょうか?」

 ここは川下りの出来る観光名所として有名なとある川の船着き場。

 空には青空が広がり風も無い、川下りには絶好の日━━のはずだったが。

 目の前には何故か土砂で濁った激流と化した荒れ狂う川が。

「昨日……も別に悪天候でも無し。山沿いで大雨とかも無かったよな?」

「そうですねぇ……」

 首をかしげる船頭たちが見上げる先の山では━━。


『バカヤロー!誰だ山ん中に不法投棄しやがったのは!おかげで廃液が(オレっち)に流れ込んで腹下しちまっただろうが!━━うっ、また来た……』


「お~い、大変だ!今度は上流で鉄砲水だってよ!」

「今日は営業中止だな……」


《ど○だけ~~》


 ある海岸に、一人の男が立っていた。

「海のバカヤロ━━ッ!」

 大声で叫ぶが、海は静かに波を寄せては返すだけだった。……と、思いきや。

 ザザザザザ━━━━ッ!

「あり?」

「……何やってんのお前?」

「いや、海に来たら一度くらいは叫んでみたくならないか?」

「はあ……。俺、ドン引きする波って初めて見たよ……」

 目を丸くする二人の前には、だだっ広い砂浜と化した海岸が開けていた。


《山だってたまには……》


「ヤッホー!」

 …………ヤッホ━━。

「うむ。これぞ登山の醍醐味。さぁさぁみんなも!」

「部長、さすがにタフっすねー」

「タフ過ぎてドン引きするレベルだよねぇ」

「まあまあ。じゃあ、私はこっちの山に向かって━━ヤッホー!」

 ……………………しーん。

「あれ?何で返ってこないの?」

「あ、部長。こんな看板があります……よ?」

「何々……ええと、『こちらの山は休火山につきお休み中。お静かに』??」


《大自然の胸囲》


「えーと、胸囲が4万飛んで○○㎞。少し太った?」

「最近ちょっと運動不足で……。って、赤道(そ こ)は腹回りでしょ(太陽)さん」

「ほんの冗談なのに……。さぁさぁみんなも並んで!せっかくの惑星直列なんだから」

「それ、実際には起こらなかった事象なんだけど……」

「ねえねえ、土星(ぼく)って輪と赤道のどっちを計るの~~」


 今日も太陽系は平和だった。


《なんせ台風ですから》


 ビュオォ━━━━ッ!!

「キャーッ、髪が!ねえ、本当に取材を強行するんですか!?」

「おうさ!これで今夜の特ダネはオレらのモノだ!」

「だって風速200メートルの台風ですよ?死にますよ!」

「やかましいポンコツアナ。そんな異常な台風の取材なんてチャンスだろうが!それにお前最近少し太ったみてーだし簡単にゃ飛ばんだろ」

「それセクハラ!もうやだこの人~~。痛っ、目に何か入った~~。ええと、目薬は……」

「アホ!こんな嵐の中で目薬なんか使えるか!」

「わっ!━━脅かすから目薬が飛んでいっちゃったじやないですか!あーん、私のヨンテFR(エフレックス)が~~」

 と、突然。

 《キタ━━━━━━━━━ッ!!(>∇<)》

「……今何か空から聞こえなかったか?」

「え?何ですか?━━あ、先輩!空が!」

「晴れていく……」

 空は見る間に雲が散り、青空が広がっていった。

「……風、収まりましたね。あれ?」

 その空からふらふら~っと落ちてくるものがあった。そしてそれは彼女の手にポトリと落ちる。

「これ、私のFR(エフレックス)?━━あ、中身が空になってる」

「どうなってんだこりゃ?」

「台風だけに目にゴミが入った、とか?」

「アホか!そんなバカ………………な?」

 彼は空と空っぽの目薬を交互に見た。

「まさか…………ねえ?」


 真実は空の彼方に。

織田津さんと一緒に考えたネタをまとめました。

微妙に版権とか引っ掛からなければいいんですが。

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